ミシンそば

麒麟がくるのミシンそばのレビュー・感想・評価

麒麟がくる(2020年製作のドラマ)
3.9
自分にとっては二本目の最後まで完走した大河ドラマ。

なんと言っても序盤が良すぎた。
斎藤道三のキャラとその壮絶な最期。
濃姫こと帰蝶の父親譲りの悪辣さ、もとい、項羽に対する范増のような立ち位置も新鮮だったが、三英傑たちの新たなる掘り下げ等はほぼなく、特に信長の人物像は昨今の研究からは五年ほど後退したのではと思ったのが素直な感想である。

道三が、今川が死んで以降、コロナ禍で撮影中断したから仕方ないと言うのもあるが、京での暗闘期は正直言ってつまらなかった。
ここら辺からドラマオリジナルのキャラの悪目立ち振りが結構鼻に付いてきて、若干うんざりさせられた。

だが、ラストだけは新時代の大河、と言っていい結末と言えるだろう。
時代と傑物に翻弄された、正しくあろうとし過ぎた不器用な男、明智光秀。
不満がないことはないが、概ね満足の行くドラマであった。