horry

良くも、悪くも、だって母親のhorryのレビュー・感想・評価

良くも、悪くも、だって母親(2023年製作のドラマ)
3.0
楽しみにしていたけど、私はちょっと残念な感じでした。
母親役のラ・ミランは圧倒的な上手さで見応えがあったんだけど、脚本というか、ストーリー自体が楽しめなかったという感じで。

一般の市井の人々では太刀打ちできないような巨大な権力を持つ相手に、一方的にやり込められて、なすすべもない。韓国ドラマでおなじみの設定で、弱い者が立ち上がっていくストーリーは、カタルシスや共感を呼ぶ。
権力に立ち向かうための展開として、『グローリー』のように権力はなくても知恵によって復讐を果たす方法や、反社会的とされる立場から復讐を果たすというパターン、そして別の権力を手に入れる方法がある。
このドラマでは、巨大な権力にやられるままだった母が、息子に強者となることを求めるもので、そのために不合理なまでのエリート教育をする。
息子の身体が自由がきかなくなっても、負けないためにというエリート教育がされ、息子はそれを母の愛だと受け止める。

負けないための身を削るような努力、「悪い母親」であってもそれを愛と理解する関係は歪に見える。
たぶん、10年、15年前のドラマだったら、楽しんで見ることができただろう。でも、権力を持ちエリートになることをゴールとする設定を2023年に持ち込むのは必要だったんだろうか。
「楽しい村の住人たち」と「都会の話」はそもそも繋がっていたのに、切り離された2つの舞台のように見えてしまったし、都会から村に帰ってくることが都落ち的展開になっていたのも残念だった。
horry

horry