マグロ

戦慄の絆のマグロのレビュー・感想・評価

戦慄の絆(2023年製作のドラマ)
3.5
産婦人科医の双子の姉妹がなんやかんやある話。

原作はオリジナル小説とクローネンバーグの映画版の両方ともらしい。小説は未読です。

映画とドラマ、性別は違えど名前は同じエリオットとビバリー。ドラマでは過激でイカれた姉とクソ真面目な妹、映画だと社交的でまともな倫理観の兄と内向的で頭のおかしい弟だったからかなりキャラと関係性を変化させてる。

大まかな筋は映画もドラマも似てる。が、それだけに終盤からガラッと変えてくるのに驚いた。個人的には映画版ラストのが耽美的で好み。

口では全然説明してくれない映画とは真逆に、こちらは何から何まで説明していた。物語としては圧倒的に親切でわかりやすかったけど、深みは失われた。

劇中では医学倫理や女性の権利的な議論が盛んに行われていたけれど、全部どっかで聞いたような薄っぺらいもので、「わざわざ作品のテンポ落としてまですることか…?」と疑問に思ってしまった。

映画版からの引用だけどやはり赤い手術服は視覚的に楽しい。あとリアルすぎる出産シーンもなかなか興味深かった。

総合的には十分楽しめる作品だったけど、色々稚拙な部分は目立ったし、6時間分の内容はなかった。3時間くらいで十分成立したんじゃなかろうか?
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