飲料メーカーの開発部に勤める藤崎亜季に出された辞令、それは自社の特許や商標を権利化する知的財産部への異動。
知財ド素人の亜季は、出向してきた上司の北脇にしごかれながら、商標乗っ取り事件やパロディ商品の訴訟騒ぎなどのひとつひとつの案件と向き合っていく。
レビューを書こうと作品ページを開き、あまりの評価の低さに驚愕してしまった。
だ、だめか、、!?面白かったが、、!!??
知的財産部、それは開発部員の汗と涙の結晶である発明を守るために働く、陰のヒーローたち。
たとえば、商標についている®マーク。これはその商標が登録されていることを指すのだけど、これがあるのとないのとでは大違い。この商標の権利は自社にあるのだという宣言になるし、悪意を持って侵害しようとする者に対しての注意喚起の意味も持つ。
それすら知らない人がおそらく山ほどいるし、人が人の「汗と涙の結晶」をあっさりとさらっていくトラブルが耐えない現代だからこそ、知財部員たちの苦悩と頑張りがぎゅぎゅっと描かれたこのドラマが放送されたことには、大きな意味があると思う。
細かな法律もたくさん出てくるが、まったく退屈しないし最後まで楽しんで観られた。
さまざまな案件が取り上げられるが、軸となっていくのは主人公の亜季が勤める「月夜野ドリンク」が開発中の新商品・カメレオンティー。「色が変わるお茶」という大発明を巡ってトラブルが巻き起こっていく。
人物としては、親会社から月夜野に出向してくる、知財のエキスパート・北脇。
ジャニーズWESTの重岡くんが演じているこの北脇が、もうたまらない。初めは冷徹な男に思われた彼だが、すこーしずつ感情を滲ませていき、壁にぶつかりまくる亜季を不器用にサポートし、上司として導いていくのだ。情熱とやさしさのあふれる彼に、恋せずにはいられない。
この作品の何が特にいいって、メインであるふたりに恋愛要素を深く絡めなかったことだ。これからどうなるかは分からないが、あくまでも上司として、部下として、互いを尊敬し、信頼するふたりに拍手。
わたしはあまりにも北脇が好きで、大好きで、最終話のラストでは思わず「ングッ、、、、ウッ、、」と声を殺して泣いてしまった。部屋には、他に人はいないのにだ。哀しさもあるが、とても良いラスト。
聡くあたたかい人であるからこその、最終話のあの亜季への心遣い。沈む亜季の心を救うための、ありったけ。大好きだよ北脇。
北脇は非常に笑顔が少なく、重岡くんファンにとっては物足りなかったかもしれないが、北脇の滲み出るやさしさや感情の変化を丁寧に表現していてほんとうに良かったと思う。重岡くん、ナイスファイト〜〜〜〜。
良い作品をありがとう。