Mrsフロイ

季節のない街のMrsフロイのレビュー・感想・評価

季節のない街(2023年製作のドラマ)
-
山本周五郎の原作「季節のない街」は、黒澤明監督で『どですかでん』1970年として映画化されている。
当時黒澤明監督は既に『七人の侍』や『用心棒』で大ヒットを飛ばす有名監督だった。
そこへ戦後の貧民街を舞台にしたこの作品が世に出た時の世間の受け止めを私は記憶している。
ええ!?これ…なに…
黒澤かい?

黒澤映画はそれまで歌舞伎の表現が当たり前だった時代劇に、リアリティを全面に押し出した刺激的表現を見せた。
そうした圧倒的な表現力で語られる物語が世間の期待するものだった。
興行的に失敗し、黒澤明監督は多額の借金を負うことになったという。

この『どですかでん』に本作の企画・脚本・演出の宮藤官九郎は多大な刺激を受けたとインタビューで語っている。
そして戦後の貧民街を東日本大震災後の仮設住宅に置き換え、現代の物語として描いている。

第1話から第5話まで 、その震災後の仮設住宅という設定のパワーで一気に観てしまった。
ただし第6話に来て途中でストップしてしまった。ピース又吉の演じるホームレス親子がブレーキになってしまった。
昔は乞食と表現していたのが今ではホームレス。
言葉の違いか?

現代社会の貧困は原作に有る貧困とは根っこのところで異なるように思う。
また、終日妄想の電車をどですかでんと走らせ、乗務する知的障害の少年の見え方も今では大いに異なるのではないか等々…

黒澤明監督の作品は1970年公開、そうあのアジアで初の大阪万博が開催された年。
今や夢よ再びの大阪万博は世界の何処からも省みられることなく、風前の灯トホホ😨

気を取り直して続きを見られるか、う〜んちょっと自信が無い。
Mrsフロイ

Mrsフロイ