まみんも美和子も、「この関係は嫌だけどどうしたいか具体的に答えがあるわけではない」というのがリアルだった。多分、根本的な考え方が相手と違っていることが違和感の正体だけど、じゃあどこから説明すればいいの、と途方に暮れてしまう。しかも、それはあくまで自分の考え方の説明であって、正解というわけではない。お互いの中で「当たり前」「常識」「前提」となっているものは、そう簡単に擦り合わせることはできない。
私だったら「付き合う人を変えれば〜」と安直に考えてしまうので、まみんと元気の最終的な向き合い方は新鮮だった。法的手続きなどの外側を工夫してお互いを変えることはしない、一番理想だけど一番面倒で、一番継続するのに努力が必要な方法だけど。
「杉ちゃんは強いよね 私はダメなの」の美和子、杉ちゃんだっていろんな自分の弱さを乗り越えてのあの強さだぞ⁉︎とムカムカした。が、父親からの「叔母さんは独身だから孤独」攻撃に対抗するパワーを常に出さないといけなくて、それに自分が負けてしまいそうになることもあるからこその「ダメなの」につながっていると考えると、父親からの外的プレッシャーがなければ「ダメなの」と思う必要さえなかったかもしれない。親が子どもの自尊心を削る話は、直接的な攻撃に限ったものではなく、親の思想と子どもの思想が合致しなかった時にも発生するよな…と思った。がんばれ美和子！
