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ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~(2023年製作のドラマ)
4.0
12月24日午前0時の横浜。きらびやかな光の陰に隠れるように、ある銃殺事件が起きる。容疑をかけられたのは記憶喪失の男・勝呂寺誠司(すぐろじ・せいじ/二宮和也)。
落ちていたスマホからは「早く逃げろ!」と男の声が。警察に追われる逃亡犯になった誠司は、失われた記憶をたどりながら事件の糸口を探っていく。
時を同じくしてクリスマスディナーの準備に追われていたのは、慎重でありながら頑固な孤高のシェフ・立葵時生(たちあおい・ときお/大沢たかお)。
横浜・関内界隈(かいわい)で愛される三代続く老舗レストラン『葵亭』は、80年受け継がれてきた秘伝のソースを求めて遠方から足を運ぶファンも少なくない。
妻を亡くして以来、「もう二度と誰も愛することはないだろう」と孤独な人生を歩んできたが、一度だけ、一瞬の恋に落ちたことがあった。
だが、それでも脇目を振らず仕事に打ち込んできた時生。この日もクリスマスイブの予約は満席で朝から仕込み作業に追われていたが、突然店に見知らぬ男が侵入してきて…。
その頃、銃殺事件の現場に直行したのは地方テレビ局『横浜テレビ』の報道キャスター・倉内桔梗(くらうち・ききょう/中谷美紀)。
理想の報道を追求し続け、自らの企画で立ち上げた報道番組『日曜NEWS11』を5年間キャスターとして背負ってきた。
しかし、突如番組の打ち切りを告げられ、料理番組への異動を言い渡されてしまう。突きつけられた非情な通達を受け止められないまま“最後の事件”を追う。
仕事一筋で独身を貫いてきた彼女もまた、心の中に忘れられない人がいた。
「逃亡編」「レストラン編」「地方テレビ局編」の3つのストーリーが並行して進んでいく今作。1年の中で最もロマンティックで、誰もが心躍らせる特別な1日であるクリスマスイブ。人々が思い思いに過ごすクリスマスイブという“たった1日”の出来事を1クールかけて描く謎と愛と奇跡の物語。

クエンティン・タランティーノ、ガイ・リッチー、宮藤官九郎、別々のストーリーが徐々にリンクしてやがてひとつのストーリーになるというスタイルは、ストーリーの語り口やテンポや伏線の張り方が下手だと大惨事になる限られた天才にだけ許されたリスキーなスタイル。
今回は、テンポや伏線の張り方が少しずつなのでややテンポが悪く、脱落しやすかったのは残念だった。
だが、勝呂寺誠司の記憶や正体が少しずつ明らかになっていく中で3つのストーリーの緩急のメリハリが徐々に効いて尻上がりに面白くなったし、二宮和也の体当たりのアクションや中谷美紀や松本若菜や中村アンのクール系美女の活躍や勝呂寺誠司とアネモネの幹部ミズキ(中川大志)や警察とのスリリングな駆け引きは楽しめたし、キレイなオチの付け方も含めてスカッとするサスペンスコメディドラマ。
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