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意外とシングルガールの708のネタバレレビュー・内容・結末

意外とシングルガール(1988年製作のドラマ)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

昔は大好きだったんだよなぁ、今井美樹。布袋マターの山下久美子の件があるまではね。

仕事と結婚で揺れる二十代半ばのシングル女性が、会社の長身な上司と社外のバツイチ子持ちおじさまとフリーターの年下バーテンとの三つ股恋愛するストーリー。オンエア当時観てましたが、U-NEXTにて久しぶりに。小林聡美が出てる「廃市」を観たらご提案されました。ブームがすっかり去って歳を重ねた今、確認作業のように観てみました。全6話。ちなみに当時自分は19歳。

ファッションアイコンとして脂が乗りまくってた頃の、布袋前の25歳の今井美樹への当て書きラブコメ。今井美樹はそのまま「美樹」という名の役で、上司が村上弘明、おじさまが西郷輝彦、バーテンが藤井フミヤが演じてて、全編ユーミンが流れまくるといういかにもあの時代らしい、トレンディという言葉が恥ずかしくむず痒い仕上がり。時代はバブル崩壊目前、バブリーな空気感ムンムンです。

とにかく美樹がモテまくる。仕事の後、3人とそれぞれデートとか笑うし。3人から同時にプロポーズされながらも美樹は誰とは決めず、そのときによって男を使い分ける。嫌な女だわ。「私は夢見るシングルガール」と、ユーミンがあの声で歌ったテーマ曲が流れると滑稽さは倍増します。

結婚もしたいけど仕事もしたいという裏に、どこかしら自由でいたいという願望があって、当時の時代における女性の代弁者みたいな、恋も仕事も手に入れる憧れという位置づけのキャラづけ。第1話で3人が美樹の部屋で鉢合わせして困惑しながらも、どこかしら「もー、私、困っちゃう!」的なテヘペロ感もありつつ、でも、みんなから許されちゃうという甘々さ。嫌だわ、こういう女。

男女雇用機会均等法が制定されたのが1985年。そこから数年経ってのこのドラマですが、当時は結婚せずに仕事に生きる女性がどんどん増えつつあったものの、女性は早く結婚して家庭に収まるものだとか、女性がバリバリ働いても男性同等に扱われないという描写も多々。今ならあり得ないと思うけど、こういう時代を経ての今があるんだよなぁと。夫婦共働きが当たり前の今、共働きが「共働き」というワードで特別視されていたんですよね。専業主婦というワードも今や死語ですしね。

仕事が終わった夜10時から友達と呑み、その後、上司から仕事の話があると夜中3時にアポを入れられるとか、終業後に会社から行きつけの店に伝言されて呼び出されるという、今の働き方からしてみたら信じられないことも多々。ケータイがあればあるで厄介だけど、なければないでそれも厄介だなぁと。

「赤ワインとバニラアイスが合うのよねぇ」というオシャ提案とか、人気のあった代官山のおにぎり屋「ベリーグッドマン」(かつて何度も買いました)が出てきたりと、当時のトレンドをドラマというフォーマットに散りばめたり、最終話では美樹がそれぞれの男性と台本なしで結婚観を素でトークしたりする場面もあり、実験的なところは面白い。

まぁ、とにかく美樹が傲慢で我儘で強気ですっごい嫌な女なんです。今井美樹の牡羊座気質まで反映したような脚本。布袋マターの後だから色眼鏡が作用してるかもしれませんが、困った状況になれば、矛盾した言い訳や反論を感情的にしまくる。自立した態度なんだけど、とこかしら男に頼りまくるのは若さゆえ?

結局、結婚相手をサイコロで決める無茶苦茶なラストは、何の目が出たかは明かされないまま。半年後のスペシャル版で明かされたのは、サイコロが海に落ちたというオチ。なんだよその茶番は。一応、スペシャル版も観直します。かつて観たけど記憶になし。
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