ミーナについては概ね予想通りではあったが、それでも充分楽しめた。ミステリーとしても良作だし、いわゆるサイコパス的な連続殺人犯の“人間味”を描いているところも、自分でも驚きなのだが、好みだった。理解の及ばない人外として描かれるのではなく、全く違う尺度と価値観で物事を図っているとはいえ彼らは彼らで人間なのだと。
アーイさんをはじめとする捜査班のメンバーも魅力的だった。特にP’ファブ。無神経で無遠慮なデリカシー無し男かと思いきや、意外にも繊細な優しさやコメディチックな可愛さがあったりして、自分の偏見に気付かされたりなどした。
個人的にはパトムカーンの俳優さんがThe Eclipseのディカー先生と同じ方だったのも嬉しかった。また会えましたね。あの時は悲しい役だったので、生き生きとしている姿(?)を見られてホッとしました。
Tayさんも“恐ろしく無表情ながら心の奥底に何かを抱え込んでいる人”を好演していたように思う。闇を湛える瞳もさることながら、その瞳にほんの少しの不安や嫉妬、喜びなどが浮かぶ瞬間に動揺させられた。ちゃんと感情が伝わってくるんだもの。
