仮面の大使

下剋上球児の仮面の大使のレビュー・感想・評価

下剋上球児(2023年製作のドラマ)
3.9
 底辺学校の学生と落ちた教師による下剋上ドラマ。

 ザン高のザンは残念のザンなどと揶揄されている越山高校。その野球部に横浜の強豪校の野球部に所属していた山住先生(黒木華)が赴任する。そして監督に生徒から信任厚き南雲先生(鈴木亮平)を立てる。しかし、南雲にはある秘密があって・・というストーリー。

 かなり熱いドラマでした。特に野球シーンは激アツで三重県大会の準決勝、決勝のシーンはグッときすぎて、ずっと涙目で見てた。かつては甲子園に行くことなど夢物語だと部員たち自身が思っていたけど、ものすごい努力(練習試合をしまくる)をして勝ち上がっていった。この下剋上は見ててスカッとした。

 問題は南雲先生の無免許問題について。これがこのドラマにおいて必要だったのかどうか。最終回で南雲先生が言っていた「負けてもそこで終わりじゃない。次を目指しているかぎり、人は終わらない。」という言葉がすべてかと。南雲先生は無免許問題で多くの人に批判され、人生の底の状態にあった。つまり負けの状態。だけど、野球部が暗闇の彼に手をさしのべて、監督にして新しい目標を持たせた。そして彼は野球部同様、下剋上を成し遂げた。これは一度人生の底に落ちた人にも、新たな未来が提示されれば再起可能であること、そして底から這い上がろうともがく人に対し、第三者がすべきことは必要以上の批判じゃなく手をさしのべることだと説いてるんじゃないかと。最初は無免許問題なんていらないと思ってたし、今でももっと野球シーンをみせてほしかったとか思うけど、意味はあったんだと思う。

 最高の下剋上、見せてもらいました。
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