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不適切にもほどがある!のネコのレビュー・感想・評価

不適切にもほどがある!(2024年製作のドラマ)
4.5
クドカン作品で過去一番面白い作品でした。毎週放送を楽しみにしていたので終わってしまいロスな気分です。

時代の変遷に伴い不寛容になり、なんでもかんでも大袈裟に騒ぎ立てることで、異様に自由が失われていく現代社会の違和感に警鐘を鳴らすドラマでした。宮藤官九郎脚本なので前提としてコメディではあるが(急に始まるミュージカルにやけてしまう)社会性を伴うメッセージがある上に話の構成も見事で綺麗にまとめ上げられていました。

ドラマなのでデフォルメされてるとはいえ、昭和の時代のモラルのなさや逆に現代の過剰な法令遵守主義は共感できるシーンや演出が沢山ありました。きっとみんな心の中で思っていることを代弁してくれたドラマだったと思います。
昭和と令和の良くないところを指摘しているというより、それぞれの時代に良くない部分はあるけれど、それでも昭和も令和もそれぞれに愛せると思えるドラマでした。

喫茶店のトイレに出現した謎のワームホール問題もラストでしっかり回収されてスッキリしました。ラストのテロップも痺れましたね。

「この作品は不適切な台詞が多く含まれますが時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み2024年当時の表現をあえて使用して放送しました」

いつか令和も不適切と思われる時代が来るかもしれない、というかきっと来るんでしょう。だとしたらこのドラマを見た上でぼくが期待する未来は、ルールや制限がより神経質に過剰にエスカレートしていく社会ではなく、何事もいいあんばいで調子良くやる社会。てきとーで良いんじゃないですかね楽しくやれれば。知らんけど。


純子がとにかく可愛かったですね。周りでも放送を追ってる友人が多かったのですが、男友達は皆口を揃えて純子が可愛いすぎると言っていました。たまに純子の登場シーンが少ない回があり、その回に憤慨してる友人もいました。笑笑

思えば最近は放送中のドラマの話を友人とすることが少なくなっていましたが、久々に放送の度に「今週の見た!?めっちゃ面白かったよね!?」と小学生の頃のようなテンションで話していました。たまたまなんでしょうか、このドラマの特性に合った懐かしさを覚えましたね。

サブスクで一気に見ることが可能になった今の時代は便利で助かるけれど、あの頃の不便さもそれはそれで良かったなと感じるわけでした。
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