私は、女だって女のヒーローになれるんだって、たまには女が女を救う物語を見たいってずっと言い続けてきたけれど、最近は、たとえヒーローになってドラマチックに救うことは難しかったとしても、ただ手を繋いでいてくれて、一緒に声を上げてくれる人がいるという、それだけですごく安心できて心強いものなんだなあと思うようになった。
このドラマでは悲しいシーンもむかつくシーンも山ほどあったのに、4人がお互いに「髪きれいだね」って褒めあって、恵が由希に「由希の髪は、つわつわ」「きれいだよ、すっごく」とにっこり笑ったところで意味わからないくらい泣いてしまったよ。
自分の体は自分のものだし、相手の体は相手のもの。
触れる前に「ちょっと触ってもいい？」と一言声をかけることなんて何も難しいことじゃないのにな。
「これくらい良いじゃん、減るもんじゃないんだし」って図々しくその線を超えてくる人たちがいて、その人たちには見えていないかもしれないけれど、確実に心はすり減っている。
人から大切にされないことが当たり前になって、自分でも「しょうがないよ」と言い聞かせるようになって、性暴力が「大したことない」になってしまう。無かったことになってしまう。
けど、そんなん違うよね？
このドラマは本当にはじめの一歩のところにあるのかもしれないけれど、今はその一歩がすごく大きくて意味のあるものだと感じた。
