venom9

サムダルリへようこそのvenom9のレビュー・感想・評価

サムダルリへようこそ(2023年製作のドラマ)
4.1
過去観たシン・ヘソン出演作品でベストです。
成功、裏切り、挫折、旅立ち、再起、帰還という王道の英雄譚を下敷きに、人身事故による近しい者同士の断絶、恋の障害、裏切り、片思いなど、主要登場人物の多くに苦い過去があり傷つき涙するのですが、支え合って力を取り戻していきます。様々な事象が無理なくストーリーに落とし込まれていて、素晴らしい脚本です。
出演者も各々素晴らしく、シン・ヘソン演じるサムダルとチ・チャンウク演じるヨンピルの互いを労る姿勢、人目を憚らずイチャイチャするところだったり、とても自然な演技でした。運命の相手と一旦別れ、その手を決して離さないと誓う二人、書きながらじわっときます。
同級生たちもギョンテを筆頭に面白おかしく賑やかで、サンドの秘めたる想いは共感を誘います。姉妹、姪っ子も良かったですね。
そして、ヨンピル父サンドとサムダル母のコ・ヘジャとの断絶。若い二人の恋路のため一歩踏み出し、ずっと胸の内にひめていた プ・ヘジャへの想いを吐露するコ・ヘジャ、あーもう泣きそう。
主人公2人にフォーカスしすぎず、群像劇としてもよくできています。海人のおばちゃんたち 、気象庁の同僚たち含め、済州島の人々に嫌な人はほとんどいない。
しかし、ヨンピラーは恋のウルトラマラソン走者ですね。別れて8年誰とも付き合わず、生涯サムダルを想い続ける。さすがアジアの貴公子です。
(2024年1月、NETFLIXにて鑑賞)
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