とてもよくできたサスペンスラヴストーリー。
脚本家吉田紀子のオリジナル。
テレ朝のドラマとは思えない。
テレ朝のドラマ局は同じプロデューサーでも見るも無残な貧弱ドラマがあるかと思えば、これくらいのレベルになったりする。つまり、制作受けの会社や外部ディレクターのレベルがそのまんまモロに出る。(社内ディレクターは論外)
これはプロデューサーがクオリティコントロールに関与していない、いわゆる案件処理担当者としての存在なんだろうなと思ってて、まあ昔っから撮影所だったり制作会社にシリーズもの丸投げ(というか東映が設立に大きく関与した放送局で元々東映が主導だし)が伝統だからしょうがないんだけど、このドラマは珍しくゼネラルプロデューサーに制作総指揮の肩書が付いてて、ここまで構成のしっかりしたドラマつくれるんだって、ちょっと驚き。
脚本家のホンをたたき台にホワイトボードにびっしり書き込んだ会議、がっつりやったんだろうね。
やっと、このまんまじゃダメっしょっていう世代が出てきたんだろうな。
必殺しかできない朝日放送もフジからプロデューサー引っ張って、本体六本木も石原プロなき今、東映丸投げしてる場合じゃないってことだね。
やっとANN系列もドラマっていうか権利ビジネスに本腰ってことでしょうか。
まあ、このレベルいけば、海外で配信、もしくはリメイク権の販売、いけるんじゃないでしょうか。
ぜんぶ観おわってみると、なんとなーく10話で予定してたのが、編成の都合で9話に削られたかなぁって印象。
サッカーの中継とか入ったか?
なんか、最終第9話だけ、めっちゃ詰め込んでた印象。
まあ、ストーリーの落としどころはどうでもいいんだけど、あれだけの大風呂敷広げるストーリーを予定してたんなら、サスペンス部分の納めで1話、キャラクター全員の今後で1話つくりたいところだよなぁ。
せっかくトモミが改めて司法試験受けるって宣言したんだし。
そういうグランドフィナーレあってもよかった気がする。
あんまり期待もしないでたまたま観はじめちゃったんだけど、まあ最後まで集中力が途切れることなく観つづけたんだから、おもしろかったと言っていいんだろうな。
追記
エンディングタイアップ曲、ホントにまったく合っていないと断言する。最悪。
まあ、タイアップっていうのは。制作とはまるで別の場所で計画が進んで行くことも多いので、普段はあんまり触れないようにはしてるんだけど、椎名林檎あたりになると、ビジネスで突っ込まれるレベルの人ではないので、おそらくドラマ制作側からのアプローチがあったと思われる。
何というセンスの悪さ!! このドラマにオーソドックスなバラードを想像できないセンスは致命的。
プログレッシヴなジャズやロック、ノイズミュージックをいつも聴いてる者からしても、このドラマはオーソドックスでちょっとレトロなバラードを当てないと興ざめだ。ベタつきのベクトルがぜんぜん方向違い。