あまのうずめ

坂の上の赤い屋根のあまのうずめのレビュー・感想・評価

坂の上の赤い屋根(2024年製作のドラマ)
3.5
轟書院の編集者・橋本は死刑囚大渕秀行著の「早すぎた自叙伝」をヒットさせていた。大渕は女子高生両親殺害事件で実行犯の青田彩也子をマインドコントロールしていたと死刑判決を受け、青田は無期懲役とされた。新人賞受賞経験のある小椋沙奈は橋本に担当して欲しいと自書を持ち込む。小椋は大渕と青田に迫る内容の「坂の上の赤い屋根」を書いていた。


▶︎視聴者を煙に巻くスタイルのサスペンスで、突っ込み所は多々あるも良質なドラマだった。地上波では無理なシーンもWOWOWドラマだからこそ含まれていて、グロが全くダメなワタクシには少々キツかった。

特筆すべきは大渕が獄中結婚した相手の礼子役の蓮佛美沙子。裕福な家庭で孤立し大渕を信奉するコミュ障の女性を、女優オーラ等を全て消して役そのものになっていた。

両親殺害事件をベースに貧富や女性の様々な立ち位置にもフォーカスし、それを転がしていたのは実は.....という形にまとめている。割と早い段階で種を蒔いていたので分かる人はすぐにピンと来てしまう作りや、そもそもの事件の側面だけしか扱っていないこと、最終話に詰め込み過ぎたきらいが否めない不満は残ったが、全5話の中で良くストーリーを落とし込んでいると思った。