刀や弓を振り回すのではなく、人の心の闇と陰と輝き焦点が当てられていて、時代劇としてとても新鮮だった。
前半は、世子の影となって守り続けるリンについつい肩入れしてしまうのに、終盤は孤高の世子の方が気になってしまう。史実を踏まえて矛盾なくストーリーを組み立てるだけでも大変なのに、こんなふうに観る側のきもちを揺さぶるシナリオが素晴らしい。
世子がいちばん愛し、心寄せたのは、リンだったのかもね。
「麗〜花萠ゆる8人の皇子たち〜」で激しいキャラを演じたホン・ジョンヒョン。密かに注目してしていたのだけれど、本作では静かで強い騎士(ナイト)のような役を見事に演じ切っていて、やっぱりいい役者なんだなあ、と改めて思った。