koh

滅相も無いのkohのレビュー・感想・評価

滅相も無い(2024年製作のドラマ)
3.3
オープニングのオシャレさ
各話ごとに異なる主役

穴の正体が何かはめちゃくちゃ気になるが、一人一人の人物を掘り下げるだけで最終話まで引っ張れるのかは不安

カット割と演出は才能溢れ出る。

5話まで終わったところだが、見る人によってはもう離脱してそう。
淡々と進むが故に、演劇が好きでない人にとってはメリハリもなくて飽きがきてしまうのではないか。
個人的には最終話の窪田正孝まで見届けて、穴の正体を突き止めたい。


最終話後の感想。
見る人を選ぶドラマ。
現代の人が求めがちな、考察によりすべての伏線が回収されるカタルシス等一切ないが、見る人によって捉え方が変わるだろうというフラストレーションに富んだドラマ。
そもそもこれを他のドラマと同じ土俵こ5段階で点数をつけることすら間違っているとも思う。
1話から7話までのバラバラに離反した物語が8話で1つの線になるものだと思ってみていたけれども、結局8話分が離散されたまま終わってしまった。いや、加藤監督には8は通じての意図が当然あるのだろうけど、それはおそらく見る人の解釈に委ねられているだろうし、それを一つに特定して結論付けるのはこのドラマの趣旨とは違う気がする。
個人的な解釈としては、最終話の堤真一のセリフ「人は虚構しか共有できない」にまとめられると感じた。見てきたものや体験してきたことを自分の口で話す時、それは少なからず自分の眼というフィルターを通じて話される。自分が見る事象Aと人が見るAとでは当然見え方の切り口や角度が異なる。
相手はもしかしたら自分とは違う捉え方をしているのかもしれないと思える、そういう知のストックをしなさいという話なのかもしれない。そんな教訓を込めてないのかもしれないけれど、それもまた解釈の一つとして心に留めておきたい。
無数の解釈が生まれる本作は、まさに舞台芸術のようで感心する内容であった。おそらく5年後10年後にみたら、また捉え方や見え方が変わるだろう。
koh

koh