鑑賞記録

ISISリーダーの身柄を確保したMI6エージェントが、任務を完了させるため中東からヨーロッパへと旅をする——むかしの映画やドラマだったら、このふたりは異性の組み合わせになるのではないか。あるいは男性同士もあり得た。

しかし本作ではふたりとも女性なのだ。ここがとても現代的なのである。問題は、この設定がうまく物語にはまっているかどうか。しかしその点でも本作は成功しているのではないかと思う。

とにかく私は、のっけから引き込まれた。惹かれたのはリアリティー度が高いこと。つまり主人公がスパイと言ってもジェームズ・ボンドのようなヒーローではなく、現実にいる諜報員に（おそらくは）近い感じなのだ。

だから派手なアクションは一切ない。そうなると地味なドラマに転落しそうな気がするが、そうはならない。心理戦が緊張感をもたらしているので、目が離せなくなるのだ。

こういったドラマの展開がわかりやすく、その進行速度も心地いい。登場するキャラクターもそれぞれ個性があって魅力的である。彼女たちの過去も語られるがこれも劇的すぎず、それぞれの存在感を高めている。

そういう意味ではけっこう完成度の高い作品だとは思うのだ。が、しかしその一方で重要なポイントとなる部分で、首を傾げてしまう箇所があるのだ。それについては、ネタバレ自己レスにて。

［ドイツ語吹替音声＋日本語字幕］2025/09/09-13　Disney+

すごくざっくりとしたホームランド。
パリにいるMI6のホームランド。
シスターフッドものとしては素敵だけどスパイものとしてはうーん…。
やたら文学的だし掴みにくい。
「いつだって金を出すのはアメリカ」
「フランスは20年遅れてる。だがメシは美味い」などなど外交ジョークは好きだったかな。笑