早くに両親を事故で亡くし、自閉症スペクトラム症の弟・美路人とふたりで静かに生きてきた公務員の兄・洸人。ある日、ふたりの前に「ライオン」と名乗る少年が現れ、ここで暮らすと言い張る。混乱するふたりだが、スマホに届いた差出人不明のメッセージを読んだ洸人の脳裏には、あるひとりの人物が思い浮かんでいた。
柳楽優弥と坂東龍汰が兄弟役と聞いて期待しないわけがない。
最近では「ガンニバル」で狂気がギラリと光る主人公を演じた柳楽優弥だったが、ここで描かれる小森洸人という人は、特別に強いわけではない。むしろとても弱く、所謂〝普通の人〟だが、だからこそ彼が勇気を出して踏み出す1歩のそのすべてに大きな価値があり、心が震える。
自閉症スペクトラム症のみっくんという役どころをこんなにもリアリティたっぷりに魅せた坂東龍汰も凄すぎる。ドラマ「ユニコーンに乗って」からの浅いファンだが、あれから観てきたどの坂東龍汰よりも素晴らしかった。たくさん勉強して、練習して、小森美路人というひとりの人物に向き合ってきたんだろう。
船木さんも大好き。平井さん、賞レース前の忙しい時期にありがとうございましたと言うほかない、、撮影裏の動画もとてもとてもかわいくて心が助かりました。
柚留木も岡山天音でよかった、、、、、柚留木も幸せになってほしい。
〝きょうだい児〟の人生や虐待の加害者の闇、被害者に残り続ける傷をきめ細かく描いておきながら、それぞれに希望が見えるフィナーレ。とても良い物語だった。