ロッカビー:パンナム103便爆破事件の5の情報・感想・評価

エピソード05
死者と生者
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2009年8月。ロッカビー事件から20年と8ヶ月。 メグラヒ釈放。服役は8年。前立腺がんで余命数ヶ月のため温情措置で釈放し帰国。カダフィ大佐の息子など盛大な出迎えが。無罪を勝ち取るために控訴審を戦うとメグラヒは言っていたのに、ジムに一言もなく⋯。リビアからの圧力があったことをジムは知らない。 2010年7月。 ウィキリークスにメグラヒの件が埋もれていたことがわかる。リビアがイギリスを脅した。リビアはメグラヒの帰国を要求し、彼が刑務所で死んだら貿易関係(石油の輸出)を断つと。2004年にトニー・ブレア首相がカダフィ大佐と会談。いわゆる“砂漠の取引”。2度目の会談後にはBP社が大型契約を獲得している。2007年に受刑者の移送条約が結ばれた。1人の男(メグラヒ)のために。カダフィはリビアの油田採掘の話からイギリスを締め出すと脅した。そのため条約を結ぶしかなかった。当時の労働党政権がスコットランドに圧力。メグラヒは政治のコマにされ、そのため控訴を取り下げたと知る。 2011年2月。 アラブの春がリビアにも飛び火。 ジムは真実を見失い失意のどん底に。妻の勧めでリビアに向かう。 起訴の根拠となったタイマーの破片。FBIのマーキスの話ではこれがなければ起訴はなかった。ジョンがMEBOタイマーの基板の製作者に会ったら基板の導体はスズが70%と鉛が30%の合金でメッキされる仕様になっている。でも、破片のメッキは純粋なスズ。破片はMEBOのじゃない。リビアとも無関係だった。法科学者のファラデーのメモにも書いてあったが証言は違っていた。そのことを誰が気づいていたか⋯。 メグラヒを落とし入れるために仕込まれた物だった。 パンナム103便事件で有罪となったのはメグラヒだけである。家族は無実を訴え続けている。 イランやPFLP-GCの関与を示す機密文書についてイギリス政府は控訴に際して開示を拒否。2020年にも再び“公益を理由とする秘匿特権”を適用した。今も文書は開示されていない。一方、開示済みの別の文書ではカダフィの右腕だったムーサ・クーサを含めリビアの複数の高官が関与を認めている。 2022年、爆破に関与した疑いのあるリビア人のマスードがアメリカへ引き渡された。裁判は2025年5月12日に始まる(WOWOW2025年6月3日録画)。 メグラヒの無実を信じる者は多く、彼らはイランとPFLP-GCの犯行だと主張。ジム・スワイアは今も真実を求めて闘っている。 ロッカビー事件に関して第三者による特別調査はいまだに行われていない。
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