天行健~革命前夜、風立ちぬ~の29の情報・感想・評価

エピソード29
#29
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tanzi

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安静が、売られた少女の名を母に聞いたのは少女が名前を覚えていられるために。 林安静。任務のたびに名を変えて男たちに身を任せ裏切りをもって完了するしか生きる術のない彼女は本当の名前を持たない。 名を持たぬ者もいれば、捨てる者もいる。 43年前消えた侍衛達の行方を探して妓楼に行き着いた穆青はそこで下働きをする男に目をつけた。 身分を偽り逃げるように後半生を生きてきた彼は、かつて自分が残された腰佩の主である欒奕の副官だったと明かし、浮土寺や呉双宝との縁を語り始める。 同じ夜、軍営では鍾海潮が泉州で有名な人形劇を愛人に見せていた。 舞台を眺めながら喜怒哀楽や意志のない人形を操るのは人間の手だと女は以前の自分を振り返るように話す。本来あるべき姿とはどんなものかと今は考えるのだと。 すでに淇親王の娘婿としてではなく北洋軍の将軍として身を処すことを心に決めた海潮は「革命」という言葉を口にする。 精巧に繰り広げられる人形劇を前に、滅びゆく清朝の皇族である淇親王が自分を操る糸を今こそ断ち切らんとするそれは決意でもあった。