友人の未完小説を手伝おうとした呉琳(ごりん)は、ノートパソコンのコードにつまずいた拍子に意識を失い、気づけばそこは小説の世界。そこでは城主・宋巍(そうぎ)と夫人・呉玉琳(ごぎょくりん)が馬車で刺客に襲われる最中で、呉琳の魂は呉玉琳の身体へ入り込んでしまっていた。かつて玉琳が王美人に流産薬を使ったとされる噂のせいで、周囲には疑惑と危険が渦巻いている。悪女の評判を覆して現実へ戻りたい呉琳だが、突然の変貌に戸惑う人々からは厳しい視線が注がれ、先行きは不透明。何とか物語の筋書きを変えようと動き始めるものの、刺客や流産のうわさが後を引き、事態は簡単には収束しそうにない。はたして彼女はこの世界の運命を覆し、自分の世界へ戻る手段をつかめるのか…。

布屋で王美人の母と衝突した呉玉琳（ごぎょくりん）は、小説の伏線どおり「王美人が姉の身代わりで嫁いだ」秘密を握り、王母を追い詰めることに成功する。しかし、城主の弟・宋弈(そうえき)が城主の地位の簒奪を企んでいる気配があり、かつて呉玉琳と恋仲だった経緯もあいまって、不穏な空気が消えない。さらに辰美人が点心に毒を仕掛ける事件まで起こるが、呉琳は小説の知識を駆使してどうにか切り抜ける。周囲の者たちは、急激に言動を変える彼女を怪しみ始め、疑いの目を厳しく向けてくる。王母を退けても、次の難題がすぐさま押し寄せ、小説の“破局”を回避するには程遠い状況。果たして呉玉琳は原作を書き換えられるのか、それとも悪女として裁かれる末路を辿るのか…。

ミルクティーを振る舞い始めた呉玉琳(ごぎょくりん)だったが、これまでとは別人のようであり、城主・宋巍(そうぎ)に不信を抱かせるばかり。焦るあまり“自害”という手段まで試すが、やはり現実への帰還は叶わず、むしろ遠のいているようにすら感じていた。そんな中、偶然井戸の底へ降りた彼女は、城主の弟・宋弈(そうえき)と鉢合わせし、そこが実は秘密通路の入口だと知る。しかし、謀反に関わる計画の詳細は不透明で、呉玉琳はただ戸惑うしかない。さらに宋巍が呉玉琳の行動を厳しく監視しており、少しの誤魔化しもできない綱渡り状態。小説に描かれる破滅的な展開をどう回避すればいいのか――自分が何を変えれば未来が変わるのか。その答えが見つからないまま、危険と疑惑に満ちた日々が続いていく。

現実へ戻る手がかりとなる鷹笛を探すため、夜宴を企画する呉玉琳(ごぎょくりん)。しかし、宴の最中に王母が乱入し、激しい口論が巻き起こったかと思えば、毒酒まで出される大波乱に。さらに王美人が足をくじき、城主・宋巍(そうぎ)が代わりに毒を飲むという緊急事態が重なってしまうが、その出来事がきっかけとなり、宋巍と呉玉琳の距離は急激に縮まり始める。だが、依然として周囲には謀反を企む影や流産の噂がくすぶり、いつ大きな騒動が起きてもおかしくない不安定な空気が続く。改変したい小説の展開と、現実へ戻りたい思いが交錯する中、呉玉琳はこの絶え間ない混乱をどう乗り切るのか…。

城主府をくまなく探しても鷹笛が見つからず、焦りを募らせた呉玉琳(ごぎょくりん)は、街で行われる商会の密談に目をつける。変装して潜り込むという大胆な作戦に打って出た結果、間一髪で鷹笛の奪還には成功。しかし、逃げる途中で不審な行動を見られたせいで、城主府に戻るころには周囲の疑惑が大きく膨れ上がってしまう。さらに余美人が提案した食糧輸送策が宋巍(そうぎ)から高い評価を得たことで、城内の情勢にも新たな動きが加わり、呉玉琳の焦りは増すばかり。いち早く現実へ帰りたい彼女だが、周囲の目は厳しく、自分自身の立場も危ういまま。鷹笛を手に入れたとして、果たしてこれが真の解決につながるのか…。

街でのごたごたを何とか切り抜けた呉玉琳(ごぎょくりん)は、あらためて枯井戸の秘密通路を探ろうと決意する。大雨が降る中、井戸へ降りるべく準備を整えるが、寸前のところで城主・宋巍(そうぎ)が割って入り、激しい言い争いに発展。彼は思いがけず自分の想いを打ち明けてしまう。一方、宋弈(そうえき)は軍営へ行ったまま戻らず、何を企んでいるのか見当もつかない。さらに緑蘿(りょくら)の挙動もどこか不審で、呉玉琳は誰を信じていいかわからないまま孤立を深めていく。鷹笛と秘密通路が唯一の希望だと信じても、実際にどう使えば良いのかは依然として分からないまま。小説の破局を回避するより先に、自分の心まで乱されてしまうのでは――そんな不安が胸中を満たしていた。

何度も枯井戸を訪れる呉玉琳(ごぎょくりん)だが、宋巍(そうぎ)が先回りしていて調査が進まず、辰美人の耳環に仕込まれた花粉や夜通しの麻雀勝負にも巻き込まれ、心身ともに疲労が蓄積していく。やっと外へ出ようとすると、今度は宋弈(そうえき)が麻袋をかぶせて連れ去り、その怒りをぶつける姿に呉玉琳は震え上がる。謀反の計画がいよいよ動き出す雰囲気が漂う中、鷹笛や秘密通路を使いこなせないままでは、現実に戻る術はない。さらに王母や辰美人、王美人といった周囲の人間関係も一筋縄ではいかず、裏表の駆け引きに神経をすり減らす。果たして呉玉琳はこの絶体絶命の環境を突破し、物語を思うように改変できるのか…。

呉玉琳(ごぎょくりん)の誕生日を祝うべく、城主府では花びらが舞う華やかな宴が用意される。宋巍(そうぎ)が親身に準備してくれた一方で、弟の宋弈(そうえき)が舒姑予(しょしゃよ)を伴って姿を見せ、妙な空気が漂いはじめる。酒が入った呉玉琳が「城主夫人の座を譲る」などと口走ってしまい、宋弈の怒りも買ってしまう。しかも秘密通路の探索は思うように進まず、これまで焦点だった鷹笛の活用も見通しが立たない。さまざまな思惑が入り乱れ、自分の帰還という願いすら遠のいて感じるなか、宴は賑やかに進行する。内心の混乱を抱えた呉玉琳は、宋巍や宋弈との揺れ動く関係がこの先どう転ぶのか、不安と期待が交錯する夜を過ごすことになる。

ついに井戸の底へ降り、秘密通路の奥へ進んだ呉玉琳(ごぎょくりん)は、持ち前の機転を活かして罠を回避するなど、知恵を駆使して出口を求める。ところがその先で見かけたのは、宋巍(そうぎ)と舒姑予(しょしゃよ)が親しげに語り合う姿。思いがけない光景に胸をかき乱され、嫉妬と戸惑いが入り混じる。体調不良を装って距離を置こうとするが、宋巍の側はむしろ積極的に呉玉琳を気遣い、かえって逃げ道を塞がれてしまう。さらにタイミング悪く宋弈(そうえき)も登場し、鋭い言葉を投げかけることで呉玉琳の心を追いつめる。謀反をめぐる暗躍、複雑な恋模様、そして鷹笛をめぐる謎――すべてが絡み合い、彼女の気持ちは限界まで揺さぶられる。

宋弈(そうえき)の大規模な計画がついに動き出し、呉玉琳(ごぎょくりん)にも「鷹笛を渡せ」との圧力が強まる。だが、彼女はそれを拒み通し、城主夫人という立場や舒姑予(しょしゃよ)との三角関係もさらなる混迷を生む。一方で、城主の部屋から火の手が上がり、城内を駆け巡る大火事の報せに混乱が広がる。呉玉琳は秘密通路を使い宋巍(そうぎ)を救おうとするが、その行動がかえって周囲の疑念を増幅し、「計画されていたのでは」とまで疑われる始末。小説の破局を回避すべく、呉玉琳は精一杯に動き回るが、すでに宋弈との衝突は避けられない状況へ。物語の流れが極端に悪化しかねない危機を前に、彼女はどう足掻くのか…。

火災の首謀者として大殿で糾弾された呉玉琳(ごぎょくりん)は、城主・宋巍(そうぎ)の怒りを買った形で天牢へ送られ、城内は混迷の極みに。だが、天牢に入れられた呉玉琳はなぜか落ち着いており、どうやら宋巍と密かに協力している節がうかがえる。外では宋弈(そうえき)が反乱の準備を急ぎ、確実に実行段階へ移行していく。鷹笛と秘密通路がすべての鍵を握ると信じる呉玉琳は、この劣勢を逆転できるのか。それとも、物語は原作どおり、もしくはそれ以上の悲劇へと向かうのか――最後の攻防が始まろうとしている。

天牢で宋巍(そうぎ)と想いを確かめ合った呉玉琳(ごぎょくりん)だが、その裏で宋弈(そうえき)は枯井戸を拠点に本格的な謀反を決行する。爆薬を仕掛け、城門外にも兵を布陣して城を乗っ取る算段は万全に思われた。けれども、呉玉琳と宋巍は先手を打っており、いざ火を放った瞬間に計画が大きく狂い始める。最後まで自分の正義を信じる宋弈との衝突は避けられず、城を揺るがす最終的な戦いが幕を開ける。果たして呉玉琳は小説の中から解き放たれ、現実世界へ戻ることができるのか…。改変された結末がどのような結末を招くのか、ついに明らかになる。