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大草原の小さな家 シーズン1のTKSDのレビュー・感想・評価

大草原の小さな家 シーズン1(1974年製作のドラマ)
4.9
ただただ素晴らしかった。何度も涙してしまいました。

小さい頃にテレビでやっていた時は特に興味を持っていませんでした。教条的で退屈なホームドラマだろうと思いこんでいたので…。
とんでもありませんでした。
僕がこの作品でジーンとするような歳になったということなのかもしれません。
超メジャー作でありながら自分的には掘り出し物を見つけたという感覚です。

なぜ今こんなに心に響くのだろう。

まず、キャラクターがみんな大人です。
子供達は可愛らしいけどしっかりしている。
幼稚な人が不自然に場をかき乱すということがないので、余計な視聴ストレスがありません。そんな人は生きていくことが許されない環境にあるからかもしれません。
話を回すための意地悪キャラもいることにはいますが(でもとても愛嬌がある。オルソン夫人役のキャサリンマクレガーは天才だと思います)、意地悪具合がちょうどいいです。本当に深刻な事件が起きているときはジャマしません。

そして、各話のテーマが普遍的で、これに生活感あふれるリアリティが説得力をもたらします。

それから、臆することなくあるべき生き方・家族愛・隣人愛を示してきます。これは少しでも間違えれば「説教くさいな」で終わってしまうところですが、本作はそうはなりませんでした。
それはなぜなのか。
おそらく、過酷な環境で生きている彼らの主張が、とにかく生きていくのだ、力を合わせなければ生きていけないのだ、そのためには互いを思いやる気持ちが必要なのだ、というところからブレないからだと思います。過酷であるがゆえに人の優しさが沁みる。善が輝く。

多様性の大切さが叫ばれ、何もかも人それぞれでいいじゃないかと言われつつ、でも本当にそうだろうか、誰にとっても大切なものがあるのではないだろうかという素朴な疑問に本作は正面から答えてくれます。
なので、単にドラマを視聴したという体験にとどまらず、これからもっとこうしていこうかなという気持ちにさせられました。

そう言った点をさておいても、単純にドラマとしてのクオリティが高いです。各話ごとの脚本の密度が高く、余計なひっぱりがありません。1時間とは思えない濃さがあります。それでいて、会話には洒落っ気があり、陰鬱になることはないのでずっと見ていられます。
話のバラエティもとても豊富で、日常のほのぼのした話があるかと思いきや、人が亡くなってしまう話もあり、飽きません。
音楽の使い方も◎。

これはもう、おすすめです。
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