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POSE/ポーズ シーズン2のbibooのネタバレレビュー・内容・結末

POSE/ポーズ シーズン2(2019年製作のドラマ)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

セリフだったり脚本自体は自己肯定感をとりあえず上げてポジティブでというような偽善的な言葉が多めでそつないんだけど、実在の人がモデルになってたり実際のエピソードがミックスされてるから見応えあって面白い。コンドームを家にかぶせた事件とか実話なんかい。狭いコミュニティでのエピソードだからネタは続くのかな最後どうやって帰結するのかなと思ってたけど、逆風に対する対処がいちいち強いし、最終的にボールルームの中も性差をフラットにする流れになるのが意外でよかった。その最終回のエピソードでエレクトラが言った「これは度胸がいることよ、安泰な場所を出て他者の立場を知る。もっとやるべきね。そうすればより良い世界を作れる。」というセリフが良かった。

とにかく生きることを諦めるなというブランカの教えと、モデルになった実在の人たちの活躍を並べて見ると目頭が熱くなる。実際の当時はドラマなんて比じゃないくらい風当たりが死ぬほどキツかっただろうから、そんな中でハイブランドのモデルになった人がいたり、アメリカではセクシャリティがバレて活動できなくなったからスペインでセクシャリティを隠して成功した人がいたり、自己主張の諦めなさや人生に対する必死さには奮い立たされるものがある。
基本エピソードは実際の当時をモデルにしてるんだろうけど、俳優本人とも重なってくるキャラクターもいて、コミュニティの根底にある良い意味で自己主張を諦めない精神がこういう粒ぞろいな才能をたくさん生んでるのかなと思うなどした。

90年代初頭、電話できないのがもどかしすぎる。良い感じの人がいても番号わかんないから連絡できないとか自然消滅で会わなくなっちゃうとか、デートの約束の日に急用できても説明できずにブッチするしかないという。

プレイテルのシーズン1からの彼はいつの間に死んだんやとか、デートしてた彼はどうしたんやとか、登場人物多いゆえに消え方があっさりしてる人も多い。
あと喧嘩の理由が基本逆ギレなのが「またかい…」みたいなキツさは少しあった。ブランカとエレクトラとプレイテルは喧嘩しては次のシーンでハグして仲直りするというのを何回も繰り返してた。

ミュージカルのシーンはシーズン1もそうだったけど、毎度素晴らしくて泣ける。
登場当初は胡散臭くて信用ならんかったパピが見違えるほど誠実な良い男なり、今シーズンでの一番成長したキャラだった。
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