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POSE/ポーズ シーズン1のAyaxのレビュー・感想・評価

POSE/ポーズ シーズン1(2018年製作のドラマ)
3.8
友達に良いよって言われてたけどずっと観てなくてやっと観てみたら面白かった。
80年代のニューヨークが舞台で、その頃ってまだ全然性的マイノリティの人たちへの差別があったし、HIVに感染≒死みたいな時代だったというのもあって、かなり生きづらかったのだろうというのがわかる。
親に勘当されてホームレスみたいになったり、セックスワーカーになったりする人が多くて、そういう人たちが身を寄せ合ってファミリー(同じ家で暮らす)になり、夜な夜な開催されるボールというファッションショーにファミリーの威信をかけて参加するという話。
ストーリーも普通に面白いし、良い意味でそんなにじっくり観てなくてもストーリーがわかるのが楽で良かった。
印象的なシーンもいろいろあるんだけど、第1話のデイモンのダンススクールでのテストのシーンが素敵だったな。
女王エレクトラさんの手術後の展開も私などには想像もつかない悲しみと屈辱(自分は女になりたいから手術をするんだけど、パトロンに見限られてしまう。つまり体が女になったら興味を持たれなくなってしまったということ)があった。パトロンがいなくなると真っ当な仕事に就けずまたセックスワーカーに戻るという。
それぞれ悩みや問題を抱えていてそれを包み込むマザー、ブランカの心の広さ、肝っ玉母さんぶりがすごい。プレイ・テル(アカデミー賞のレッドカーペットで上半身タキシードで下半身ドレスだった人)とこのブランカは歌もめちゃくちゃ上手かった。
私は80年代あたりのディスコミュージックが好きなので(詳しくはない)ボールのシーンでかかってる音楽も全体的に好きな感じだったなあ。
あとスマホがない時代だから待ち合わせとか行かなかったら終わりで、約束すっぽかすとかちょいちょいあって、今って簡単に会えちゃうからすれ違いってあんまりないんだよなあとしみじみ思った。
LGBTQって一括りで話題になりがちだけど、ゲイとトランスジェンダーが全然違うということとか、特にトランスジェンダーの人の苦しみがわかる。
ライアン・マーフィーがトランスジェンダーの人にチャンスを与えたくて、オーディションで選ばれた人たちが演じてるというのも先進的な取り組み。「ミッドナイト・スワン」より姿勢的にも内容的にもこっち観た方が全然良いと思ったよ。
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