黄推しバナナ

ガリレオ(第1シーズン)の黄推しバナナのレビュー・感想・評価

ガリレオ(第1シーズン)(2007年製作のドラマ)
5.0
⚠そのシーズン分けで「スコア5.0〜1.0」の得点を付けていきます。

スコア5.0→全話鑑賞=絶賛オススメ!
スコア4.0→全話鑑賞=普通オススメ!
スコア3.0→全話鑑賞=少しオススメ!
スコア2.0→途中リタイア!
スコア1.0→1話リタイア!

映画のスコア付けとは少し違います。
ご了承下さい。

【2007年10月期ドラマ】

原作 :
東野圭吾
脚本 :
福田靖
演出 :
西谷弘
成田岳
澤田鎌作
出演者 :
福山雅治
柴咲コウ
北村一輝
真矢みき
渡辺いっけい

「全ての面白いには必ず理由がある」

①演出
②脚本
③対比

【①検証】
冒頭のスタッフロールからフックがある

 湯
 川
福山雅治
 学

最近はただ字体を出すだけの演出が多いが一昔の作品は違う!

黒画面
湯川学→赤字
福山雅治→白字

私の知る限りこのパターンは、
市川崑監督の「金田一耕助」シリーズ
庵野秀明監督「エヴァンゲリオン」シリーズ

本棚の裏から撮影→ヘルマン・ヘッセ全集4巻を抜き取ると奥には収録マイク、カセットテープカセットデッキが映り込む

微かな音を出さないためタオルが置かれ、その上にカセットデッキのリモコン、先程の本、携帯電話が置かれている

金森龍男(唐沢寿明)を真正面に部屋の情報が分かるようカメラアングルの引きが入る

折りたたみの携帯電話を開く
携帯の画面が割れている→伏線(怒りで床に叩きつけた際割れる)

何度も何度も何度も喉の調子を伺う→伏線(慎重派、失敗は悪、粘着質、神経質)

“車輪の下”の朗読に入る→伏線(金森龍男のこれまでの人生は=車輪の下の主人公・ハンス・ギーベンラートと同等)

街の静けさと対象的に人々は急かされたように、店のシャッターを下ろし、住宅では窓を占める→伏線(この時間帯に決まってあることが起こる助長)

けたたましい爆音…チーマーの登場
金森龍男は落ち着いて本をたたみ朗読を止め、録音を止める→伏線(これからある儀式を行うための一連の行動)

携帯を取り電気を消す金森龍男
チーマーの4人と住宅街のカット
ある部屋の電気が消える→伏線(あの部屋に金森龍男が居て獲物を採るかのごとく4人を狙っている)

4人が見える窓際に配置を取る金森龍男
足元のアップで畳が異常に擦れている→伏線(悔しい思いを畳に何度もぶつけた地面蹴りの跡)

カーテンを開けチーマーに狙いを定め携帯をいじる金森龍男

タバコを看板、銅像に押し当てるチーマー→伏線(真相の焦点をずらすため)

燃え上がるチーマーの頭…
即死状態で倒れ込む…
周りは騒然…
地獄絵図…
神に感謝の祈りを捧げるかのように跪く金森龍男…
目的は達成された…

事件現場に到着する内海薫(柴咲コウ)、上司の草薙俊平(北村一輝)と先輩の弓削志郎(品川祐)→ヒロイン紹介と取り巻き紹介

野次馬の中にパジャマ姿で宙を見上げる女の子を目撃する内海薫→伏線(事件の真相の手掛かり)

この約4分で話の半分以上を掴むことができる…後に湯川学(福山雅治)、城ノ内桜子(真矢みき)が登場する。

ほぼ100点に近い出来だと

【②脚本】
東野圭吾原作→福田靖脚本のブラッシュアップの流れは流石と言える。
原作では湯川学の相方は草薙俊平だが、ドラマ版では内海薫に変更されており、内海薫はドラマ版オリジナルのキャラとして作られている。※ただしキャラクター自体は原作者が考案。初出は原作の短編小説集“ガリレオの苦悩”となっております。
また湯川学の口癖「実に面白い」、真相を立証したときの“フレミングの左手の法則”のポーズ、所構わずトリックの証明をするための方程式を記述など…ドラマ版の深みを与えるキャラ味付け演出として考案されている。

【③対比】
人としての“湯川学”を“草薙俊平”目線で見てしまうと「男性←男性」となり感情が一定の性別となってしまう…
男性目線からして「面倒なタイプだがしょうがないか…」で済まされてしまうところをドラマ版では、人としての“湯川学”を“内海薫”目線に変えることにより「男性←女性」となり感情が不定詞となる。
「このドス黒い感情をどうすれば…」と生理的不快と思われる事も、湯川学の信念を曲げないかっこ良さに見惚れてしまう事もあり、これは女性目線ならではと言える。

その他にも、

菅野祐悟によるガリレオ独自のBGM
“KOH+”によるエンディングテーマ
美術スタッフによるセットの小物
照明スタッフによるライティング

だったりと、
こういう要素が上手く混ざり合い化学反応を起こして面白さに繋がると推測する。
黄推しバナナ

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