よるこ

Q10(キュート)のよるこのレビュー・感想・評価

Q10(キュート)(2010年製作のドラマ)
4.7
2010年、18歳の深井平太はラの音が出る歯を持つ女の子に出会った。
校長が拾った明らかに未来のロボットである彼女の起動スイッチを押した平太は足の裏にあった、Q10の文字から、キュートと名付ける。担任の小川の家で面倒を見、クラスに編入させた彼女の面倒を見る羽目になった平太は最初は面倒に思いながらも彼女の突飛だけれどまっすぐな行動に、気づかされ心惹かれていく。

入院仲間で留年し、また入院した久保、赤髪ロックな山本、自分に自信のない優等生・河合、いつもカメラを回し、河合を好きな影山、家庭環境から学校を辞めざるを得なくなる藤岡、キュートが好きな二次元キャラに似ていることでつきまとうオタクな中尾などクラスメイトたちとの交流や、Q10を研究する教授、犬を溺愛する校長先生、小さな独身男の担任小川やその母親しげたちに見守られながら、キュートはこの世界を知っていく。平太も病気を支えてくれた姉と両親と暮らしながら、子供の頃願った世界の滅亡が叶わなかったことを喜ぶ。
しかし、正体不明な引きこもりの富士野月子の登場でその日常は終わりを迎える。
リセットボタンを押さないと、未来で560万人の人が死ぬ。一度は脅しによってリセットボタンを押してしまったことで後悔した平太は88歳の自分からの言葉”Q10を愛したように世界を愛せよ”という言葉を実感した時、自ら押すことを決める。やがて彼女のことは記憶から消えてしまうと言われるが…

さすが木皿泉作品。すごく心に来た。セクシーボイスアンドロボにテイストが似ている。信じなければないのと同じなのかもしれないけど、信じれば在るっていうことを世界と愛を通して、Q10というロボットを通して伝えてくれる。世界は自分で選べるんだよって背中を押してくれるような優しい作品。
すいかやセクロボに続いて白石佳代子さんのお母さん役にぷぷぷとなりながらも幸せな気分になった。

高橋優のエンディングの歌も良い。
よるこ

よるこ