小学生の時、土曜21時のドラマで見て強く記憶に残っている作品。初めて松ケンにハマった。
貧困による壮絶な人格形成期を送ったせいで金銭に取り憑かれ、身近な人間を残酷に死に追いやる主人公像は、(ゴリゴリの地上波ゴールデンタイムに放映したせいか)当時世間からバッシングされドラマはあっという間に打ち切られた。毎週目が離せなかったから凄く残念に感じたのを覚えている。
ジョージ秋山先生原作の漫画も読んだけど、こちらは更に過激。70年代のサンデーで相当問題作視されてたらしく、こちらも好きなのだが、少々現実離れしておりドラマ化するにあたってマイルドにして正解だったと思う。(それでも打ち切られたが)
大人になってから分かったのだが、放送時期の2009年はリーマンショック直後の派遣切りが社会問題となっており、その世相をフォーカスした内容として盛り込まれて(多少ドラマ的脚色はあれど)原作よりもかなりリアルを抉るテイストになっていた。
一切救いを見せない暗い演出や、エンディングのかりゆし58「さよなら」の哀愁、
主人公を破滅に追い込んだ、またはドラマを打ち切りに追い込んだ世間へのメッセージがたっぷりと込められた最終回のカメラ目線での説教など、忘れられない箇所がたくさんあって面白かった。
あと、今をときめく田中圭が出てるけど、すぐに殺された。この時は今みたいなキャラじゃなくて真面目に演技していた。