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ドラゴン桜のpokotanのレビュー・感想・評価

ドラゴン桜(2021年製作のドラマ)
4.0
福澤克雄監督らしい、初期「半沢直樹」以降続く演出で、さすがの安定感。
間違いない面白さ。

自分は学生をとうに卒業した身だけども、現役受験生にとっては役に立つ知識や心構えが多いんじゃないかな。
社会人から見ても、結構良い言葉もあり、受験だけじゃない、社会人としても刺さるセリフも多かった。

「昔からそうなんでしょという考えじゃダメ。物事には意味がある。本質がある。何故こうなっているのか。本質を捉えろ。」

「複雑に難しく答えるよりもシンプルに答えるほうが実は難しい。社会に出てからも一生求められるスキル。」

「誰かのせい。国のせい。他人のせい。他人を叩き批判して文句を言って何が変わる?何故社会はこうなってるのか、誰がどんな意図でこの仕組みを作ったのか、本質を見抜き、自分なりの答えを出す力をつけろ。そのためには、勉強するしかない。勉強ってのは、この国で唯一許された平等なんだ。」

「知識は詰め込んだだけじゃ、使えるようにはならない。実際に使っていかないとね。」

「クソみたいな人生を変えられるのは自分しかいない。人は誰かを変えることなんて出来ない。自分を信じてまっすぐ突き進め。」

阿部寛の声も含めて言い方がほんとに上手いんだよな。
説得力があり、鼓舞される。
桜木先生の強い言葉に背中を押され、前に進む力をもらえる。

生徒も全員良かった。
藤井くん最初どうしようもなかったけど、最終回の健太を助ける行動が胸アツ。一番好きなキャラだわ。
髙橋海人、どうせジャニーズって思ってたけど、普通に4話と9話で泣かされた。泣くシーンが上手だった。
平手もなかなか良い。
健太役の細田佳央太も知的障害持った子にしか見えないし、すごい。

ただ、生徒の親の描き方が古典的というか、リアリティに欠ける。
岩崎家のあそこまで娘の意思を無視した自分たちの夢を押し付ける親って今どきいるのか?怪我したときも、娘の心配よりもその後の選手生命の心配って、ありえない。
あとは、小杉の親の学歴コンプレックスも何だか違和感。

面白く良かったのに、そこだけ残念だった。
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