ケネス・ブラナーのライフワークと言っていいかもしれない刑事ヴァランダーのファイナルシーズン。ファーストシーズンで認知症の父の介護から始まった物語がヴァランダー自身の物語となって終結する。
一話完結ものなんだけど、事件とヴァランダーのプライベートな問題とが上手くかみ合わさった良く出来たストーリーだと思う。常に振り回されてるヴァランダーが気の毒で、演じるケネスブラナーの悲哀や渋さも相まって常時辛い。かと言って救いがないかと言われるとそうでもなく、バッドエンドともハッピーエンドともつかない微妙なさじ加減がとても良い。
最初の方は若手時代のトムヒドルストンなど脇役たちと賑やかな印象があったけど、後半はケネスブラナー1人の力で最期まで持ってきたという感じ。1人になることでこの侘しさがかえって際立ってよかったのかもしれない。