何も解決することなどなく、ただひたすらに世紀末の狭間を描くゾンビドラマにして、今も尚世界を魅了し続けるホラージャンルの金字塔を完全初見。
まさかここまでのめり込むなど思ってもいなかったけれど、限りなく広がる世界線と長く、濃密に繋ぐシナリオに心が踊らずにはいられなかった。絶妙で、いかにも人間らしく等身大の緊迫感。
人々の意思の向かう先は治療薬を探しあてたり、ウイルス撲滅に奮闘する情熱的な生きざまにはなく。それは水を得たい魚のように、息が続く限りに「生き抜く」こと。
全てが終わったといっても過言ではない国境なき世界で生きる抜くために、人々見知らぬ土地を歩き回り、その1日を耐え抜く。生きれば起こる、出会いに別れ、そして争い。
どんなゾンビ作品よりも愚直な人間性、人の本質、こんな世界になっても、人は人と触れ合わないと生きていけない、君を食べなきゃ、俺は生きていけない。そんなメッセージ性を込めて「人間」を色濃く描いたシーズン1.
これは辞められない、終わりなき旅。