Henrye

ウォーキング・デッド4のHenryeのレビュー・感想・評価

ウォーキング・デッド4(2013年製作のドラマ)
4.3
愛が深すぎて何から書けば良いのか躊躇いました。
私がシリーズで一番愛したPhilip Blake, Brian, the Governorの話をします。

今思い返したら、この時のリックは最後の良心の欠片を持っていた。刑務所決戦ラストに、まだ変われる、一緒に暮らせる、と呼びかけたシーン。
それは、一つの正義であったかもしれない。(最近のシーズンでのリックを見ていたら、あり得ない言動)
しかしこの話に正義と悪は無かった。

総督はそれに対して"Liar."と一言だけ答える。
選択に、正解と不正解は無い。しかしその世界で、総督にはそうするしか出来なかった。

全ての愛するものを失い、信頼を裏切られ、彼は一度死んだ。その証拠に腐肉を塗りたくらず生身で、まるでウォーカー達に見向きもされず腐敗した街を歩けていた。死んだも同然だった。
過去の家族写真を眺め、自分だけを消す様に折り畳む仕草が、とても切ない。

それでも、新たな場所で見つけたもう一つの家族が、彼にとって唯一の希望だった。過去の代わりになんてならないが、自分を一度殺す事で、変われるかもしれない、と。
何をしているの?という問いに、間を開け
"survive."
と答えた彼は、守りたかったものを守れず、愛したいものを愛すことが叶わなかった、死に場所を探す一人の人間。
変われるかもしれないと、一抹の希望を、彼女を、奪われた時。その瞬間に最後の気持ちを、全てを失った。
だから、彼にはリックの言葉は届かなかった。

現行まででも、総督以上に悲しく美しいキャラクターは居ない。ウォーカーがしっかり話に絡みながら、人間模様を深く辛く描いてくれていたシーズンは、ここが最頂だったと記憶しています。

一般に言う"ゾンビ"と古くから縁があり、沢山の戦う人間を見てきました。しかし非武装で素手で、あそこまで強い人間は初めて見ました。総督最強です。私は永遠にWoodburyの民です。

常々言っているのは
「私のTWDはs4で終わった」
Henrye

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