わたし

SHERLOCK/シャーロック シーズン2のわたしのレビュー・感想・評価

4.0
完全にはまってしまいました。

ストーリーは面白く、怖いことをやってる犯罪者ばかりなのに、テレビらしく安っぽい描写のおかげで全然怖くありません。気軽に見れるので、私にとっては◎です!

シャーロックホームズを取り扱った作品は数多くありますが、各キャラクターや事件の雰囲気が少しずつ異なるのがまた面白いですね。

本作品のシャーロックはトリックを見破っているというより、大量の知識を持っていること、目に映る事柄から大量のデータ収集が出来ること、それを結びつけることに長けているという印象。
証拠は無いけれど状況から読むにこういうことだろうっていう半ば強引な仮説が超高確率で当たっている、みたいな感じです。

そして、何より本作品のシャーロックの最大の特徴は、超・嫌な奴!

例えばロバートダウニーJr.が演じた映画シャーロックホームズでは、変わっているしデリカシーはないし自分勝手だけど実は奥手でちょっとかわいげのあるシャーロックが描かれています。

そこに比較すると本作品のシャーロックは、凶悪な事件が起これば笑顔で楽しいと言う・事件が起こらなければ暴れて「退屈だ」なんだと暴言を吐く・性格は悪く、率直過ぎる言葉で悪気なく人を傷つけることもあれば、悪意を持って嫌味や乱暴な言葉を使うこともあって・プライドは天に届くんじゃないかってほど高く・素直じゃないし人の言うことは聞かないし・身の回りの大切な人に感謝すらしない・小さな子供のように、とにかく自分のしたいことをする、その為には手段は選ばないし「逆になぜ他人に配慮しなきゃいけないのか心の底から理解不能だ」って感じの書けば書くほど恐ろしい人間です。

そんなシャーロックに魅力を感じてどんどん引き込まれてしまう・応援したくなってしまうのだから不思議ですね。

「シャーロックも良いところあるじゃん」なんて思わせる一瞬の隙も与えないような鋭く冷たい演技も、人間性や可愛げをほんのほのかに香るか香らないかくらいで表現する演技も、カンバーバッチの成せる業!本当に最高です。

シャーロックがたま~にお愛想で無理矢理口元だけ笑う(口角を一瞬上げるだけ)ポーズがすごく好き。

本作品の他の登場人物は…

モリアーティが比較的序盤であっさり登場してびっくりします。
紳士的な雰囲気をまとう老人ではなく、分かりやすく狂った若者として描かれています。

ジョンはかなりシャーロックに肩入れしていますね。文句を言いながらも素直に真っ直ぐ愛を注ぐ相棒です。
シャーロックのダメなところにも目をそらさず向き合って、本気でぶつかります。
いろんな人から振り回されることが非常に多く、優秀な医者・兵士というよりは、本人は真面目で優秀だろうにいつも不運なせいでドジというかすっとぼけな可愛いいじられキャラになっています。

アイリーン・アドラーは1つのシーズンのみ登場。職業に驚きました。
シャーロックより年上に見える、色気と知性と力を感じさせる女性です。

ハドソン夫人はいつもオシャレで、見た目も中身も最高にチャーミング。
主にシャーロックのせいで頻繁に事件に巻き込まれますが、いつも場違いな言動でとっても楽しいキャラクターです。
小柄なおばあちゃんですが、天然かつ勝気で、シャーロックに怒鳴られても「お~こわこわ、に~げよっ」みたいな表情をしてそそくさと退散するのが可愛いし、武装集団に尋問されても泣きマネしてシャーロックの大切な品物を隠したりする強さも。
登場回数が多くて嬉しかったな。

レストレード警部は、お馬鹿ではなく傲慢でもなく、その一方特別優秀でもお人好しでも無いような、普通に普通の警察官です。
シャーロックに嫌味を言われて受け流し、時には乱暴な言葉を言い返しながらも、事件解明に困る時にはシャーロックを頼ります。
いつも言い合いをしている様な2人ですが、助け合ってお互いの力になりシーズンが進むごとに腐れ縁の“友人”になる様子がグッときます。

そもそも本作品の警察は、とにかくおかしなことだらけ。レストレードなど、各個人は普通なんですが、警察としての判断とか行動が単純すぎて本当に無能。ただの警部の判断で探偵に捜査情報を開示出来ちゃったり、確実な証拠もないのに憶測で逮捕したり、それが間違っていたり。(そういう役柄だから仕方ないんですがドノヴァンが最初から最後まできらいです、むかつきます。)
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