ブルームーン男爵

砂の器(2004年版)のブルームーン男爵のレビュー・感想・評価

砂の器(2004年版)(2004年製作のドラマ)
4.8
松本清張の長編推理小説。何度も映画・ドラマ化されている傑作。事件も原作からテイストを変えて、主人公の背負う宿命を、父親のハンセン病から犯罪(津山事件)に変更しているが、時代にあってていて良い。さら本作では映画版の楽曲をベースにした千住明の拡張高い名曲が響く。「藍は藍より出でて藍より青し」というがそれを感じさせる名ドラマだったと思う。

海辺で砂の器をつくっても崩れてしまう。それが砂の器の宿命だから。いくら強く握っても波にさらわれて崩れていく砂の器。それに似た人の宿命。運命は変えうるが、もがこうと逃れらないのが宿命。こうした歴史に名を残すドラマが生まれないのだろうかと、令和の世にて回顧してしまう。