日向充

ちゅらさんの日向充のネタバレレビュー・内容・結末

ちゅらさん(2001年製作のドラマ)
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このレビューはネタバレを含みます



とにかく岡田惠和さんのドラマは、登場人物みんなを好きになれるところがすごい。ひよっこもそうだった。
なおかつ更に凄いのは、わかりやすい悪役や憎まれ役がいなくてもきちんとドラマになっているところ。いい人ばかりでもドラマって作れるんだっていう素晴らしい見本。それが岡田さんのドラマだと思う。
ひよっこもそうだった。

ちゅらさんについては、しかしストーリー的に乗れないところがいくつかあった。
特に最後の半月は全然ついていけなかった。
エリーの病状もよくわからなければ、エリーの判断が正しいのかどうかも全くわからず、今一緒にいられないことより、もしこれで取り返しの付かないことになったらそのほうが和也にとってマイナスになるのではって言う気がとてもして、全然エリーの行動に賛同できなかった。
この人空気を読めないとか鈍感とかの意味のバカなだけじゃなくて、本当に頭の悪いバカだったのか?とすら疑ってしまった。
ひよっこに関しては「ん?」って思う登場人物の行動が一つもなくて、とてもよかった。
脚本家としては後の作品の方が良いと言われる方が嬉しいだろうか。

ちゅらさんがここまでの人気であることの理由は、もちろん上記のような人物造形の巧みさもあるのだけど、それに加えて、視聴する上でのお手軽さがあるのだと思う。
あんまり難しい話にならない。
常に視聴者をひっぱっていくトピックはわかりやすかった。
ひよっこは、少し重かった。
しかしその分、分厚かった。
朝、15分、ながら観する。1日飛ばしてしまうかもしれない。
そんな朝ドラのニーズをど真ん中で捉えてたのがちゅらさんなのだと思う。
朝ドラとしては本当に大成功。

僕の最も好きなドラマ「ちりとてちん」の視聴率が振るわなかったのは、全くこの逆の理由で、ドラマとしては成功、朝ドラのニーズにはあっていなかった、という感じなのだと思う。朝ドラには、ちょっと難しかった。
ちりとてちんでは実在感のある人物造形だけでなく、主人公や周りの人たちのバックボーンや性格が尽くストーリーに跳ね返ってきていて、かつ、ドラマティックな出来事も嫌味なく起き、さらには数々の見る人をうならせる仕掛けがあった。それらが掛け算のように折り重なって一つのシーンに集約される。まるで暴力のように泣かされた。ただし、それらを把握するには毎回きちんと見なくてはならない。朝ドラにはちょっと難しかったのだと思う。

ドラマとしての面白さに加えて、朝ドラは朝ドラ加減、というものも必要なのだろうか。


以下、観ながら書いていたメモ。


■ ちゅらさん(2001年4月25日第21回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリー、父にも東京の大学受験認めてもらえる。まこと、社会人野球、会社に合格し、エリーに報告に来る。

・このくらい、このくらいってやりとりを父ともエリーともやるの良い!
・キャプテンはエリーのことが好きなのにバックで流れる「Best Friend」

■ ちゅらさん(2001年4月26日第22回)観終わり(NHKオンデマンド)。ようこは東京に帰り、数ヶ月後、エリー、受験のために東京に行く。

・ようこさんが転びやすいのもうまくいかされてた。エリーとの出会いとエリーが目撃する場面でも。

■ ちゅらさん(2001年4月28日第24回)観終わり(NHKオンデマンド)。ふみやの一家、引っ越していた。エリー受験本番。ふみや、小浜でおばぁと会う。

・ようこさんいいところで転ぶ!!
・ふみやくん、少年の時の方がかわいかったなー。

■ ちゅらさん(2001年4月30日第25回)観終わり(NHKオンデマンド)。るみこ、受験手応えなし。エリーはあり。食事の時にるみこなら大丈夫と言い怒らせてしまうエリー。横断歩道でふみやとすれ違い、追いかけるエリー。


・るみこのエリーへの指摘が無駄に盛り上がって帰る!とかにならないで言いすぎたとかになるの良い。
・そこは月9っぽくなかったけど、横断歩道ですれ違うのは月9だった。

■ ちゅらさん(2001年5月1日第26回)観終わり(NHKオンデマンド)。ふみやには会えず帰るエリー。おばぁからふみやの話を聞き、運命を感じる。ようこさんから合格発表の電話が来る。


・小浜であったふみやくんが本物だと、お父さんが亡くなった情報で証明できるのうまい!

■ ちゅらさん(2001年5月4日第29回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリー、全家族にバレバレで家出する。

・父のテープ、泣かせるなぁ。。会話なのがいい。

■ ちゅらさん(2001年5月9日第33回)観終わり(NHKオンデマンド)。まこと、真理亜にボロクソ言われる。沖縄に帰ることにしたが、一緒に来ないかと言われるエリー。


真理亜の台詞「自分のマイナス東京のせいにするんじゃないわよ。卑怯だよそんなの。あたしはね、東京生まれの東京育ちなの。代々ね。
あたしも思うよ。東京ってやなとこあるなって。
でもね、東京をやなまちにしたのはあんたみたいな人たちだよ。東京に暮らしていながら東京を好きになろうとしない、愛そうとしない、どうせいつかは出ていくんだ、それまで我慢してるだけだ。そんな人たちばっかりの街がね、いい街になんてなるわけない。あたしはそういう人たちに東京にいて欲しくない。東京に対して失礼よそれは。
そんなに沖縄がいいなら帰ればいい。
帰って東京の悪口言ってればいいじゃない。
あそこは人の住む街じゃないとかなんとか。言ってりゃいいじゃん。
でも、あたしはそうは思わない。
ここは、人が暮らしてる街だよ。沖縄とおんなじようにね。」

■ ちゅらさん(2001年5月10日第34回)観終わり(NHKオンデマンド)。ようこの紹介したフランス料理店に着ていく服は真理亜に借りたエリー。当日お店では真理亜が別席でサングラスをかけて座っていた。




・「でも黒ばっかりなんですねー。若いのに。お葬式とか多いんですか?」

■ ちゅらさん(2001年5月18日第41回)観終わり(NHKオンデマンド)。けいたつ、しばらくエリーの部屋で暮らすことになる。営業開始前にゆがふに来た客、また来て今度はエリー、チャーハンを振る舞い、本当に美味しいと言われる。

・どうせ昼間もごろごろ寝てるだけだし。
→いやそんなことないでしょ。どうせ仕込みで店にはいるわけだし。とかにした方が良い。

■ ちゅらさん(2001年6月6日第57回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリー、看護婦になるため聡子に色々教えてもらいに行く。



・ゆがふで食べてもらった時の笑顔と病院退院の時の笑顔が同じというつながり良い!最初に何かやって失敗して次ってだけでなくて。

■ ちゅらさん(2001年6月8日第59回)観終わり(NHKオンデマンド)。島田に亡くなる患者も多いことから看護婦になるのはやめたほうがいいと言われる。エリー、学費捻出のため昼のショップのバイトも増やし勉強に明け暮れ、倒れる。

・島田さん元医者かー。薬の名前わかった伏線すごい。

■ ちゅらさん(2001年6月14日第64回)観終わり(NHKオンデマンド)。落ち込んでいたエリー、コンビニの客に「いつもみたいに頑張ってって言ってくれないの?」と言われて笑顔が久しぶりに出る。

・コンビニでの「頑張って」がまさかこう使われるとは。。うまい!

■ ちゅらさん(2001年6月21日第70回)観終わり(NHKオンデマンド)。優秀な同期、エリーに友達になって欲しいと言う。ふみや、和也と同じ病気の子供が亡くなって取り乱す。夜、自販機の前でエリーと話す。


・「随分言いにくいこと言ってるよさっきから」

■ ちゅらさん(2001年6月30日第78回)観終わり(NHKオンデマンド)。おばあとけいしょう、沖縄に帰っていく。ふみやがエリーのいる内科に来る。

・エリーもけいたつも、傷つくとから逃げてると言われるのうまい!「おばぁはいいなぁ」からずっとそう。

■ ちゅらさん(2001年7月2日第79回)観終わり(NHKオンデマンド)。まこととるみこが結婚してエリーに会いにきて沖縄の女なら勝ち取れと背中を押す。スーパーボールは遥が持っていた?!

・まこととるみこが、ちょいちょいエリーがふみやとどうにかならないと吹っ切れない的なこと言うの最高。うまい!るみこ役の人も演技がとてもちょうどいい!

■ ちゅらさん(2001年7月4日第81回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリー、ふみやに、結婚の約束をずっと信じていたことと今でも好きだということを伝える。

・「ハッピーエンドにしてあげてね。おばぁ」は泣く。。


■ ちゅらさん(2001年7月7日第84回)観終わり(NHKオンデマンド)。けいたつ、ふみやを殴る。スーパーボールはふみやの手に戻る。ふみや、がじゅまるの樹に来てエリーを抱きしめ、結婚しようと言う。


・普段冷静なけいたつが感情を爆発させる。豊子の爆発と同じだ!

■ ちゅらさん(2001年7月9日第85回)観終わり(NHKオンデマンド)。ふみや、エリーと結婚したいと言う。勝子、ずっと想っていたのがかなってよかった、でもいきなり結婚は早いのではと言う。

・島袋の間の悪さ、素晴らしい!!キャラ貫徹!
・もう一度電話でもなるかと思ったら、まこととるみこっていいなー。
・どんどんギャラリー増えて草www

■ ちゅらさん(2001年7月30日第103回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリー、静子の家に出入りする。真理亜、腹が痛くて倒れる。

・真理亜が倒れる時も大音響流すの良い。

■ ちゅらさん(2001年8月3日第107回)観終わり(NHKオンデマンド)。島田が住人に宛てた手紙、柴田がみんなに読む。

・手紙で登場人物全員を褒めるのはうまい。作者がこう受け取ってほしい人物像を視聴者に伝えられるし、視聴者と合意できるなら視聴者はカタルシスだし。

■ ちゅらさん(2001年8月14日第116回)観終わり(NHKオンデマンド)。勝子と恵文、東京で楽しく過ごす。エリー実家で気持ちよく寝る。

・キャンディーズ歌うのはやめれ。
・このすれ違いにはなんの意味があったのか。おばあと柴田のシーンは良かったが。。


■ ちゅらさん(2001年8月18日第120回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリーとふみやの子供、和也と命名される。静子もありがとうと言って許す。

・けいたつ、姉が子供産むときにいなかったと一生言われないために沖縄に帰ってきたのに、名前決めるときにいなかったと一生言われるのうますぎる。。
・和也の名前をつけるというのは、和也の死が何度も有効利用できててうまい。
・あの曲に詩をつけるのがここなのがうますぎる!!!今回は神回!!

■ ちゅらさん(2001年8月24日第125回)観終わり(NHKオンデマンド)。しょうことけいたつが付き合うことになり、エリー嫉妬する。

・姉弟の嫉妬かー。エリーがけいたつに話しに行って「なに?」「そっちこそなに?」ってあたり、すごくよかった。。これは僕には書けないなー、と。。

■ ちゅらさん(2001年8月29日第129回)観終わり(NHKオンデマンド)。新人が辞めて落ち込むエリー。真理亜に、明るくて笑ってる人間と端っこにいる人間の話をされる。やめた新人に会いに行くエリー。


・エリーについた新人が数日で辞めた件についてようこが自分の経験を語るが、2年で辞めますと言って本当に2年で辞めた後輩がいたことについて「ごめん、えりちゃんのとはちょっと違うね」というが、この会話がとてもリアルですごい。
・真理亜の話もすげー!神回だ!!こんな会話よく作れるなー。。本当にキャラクターそのものだ。エリーと真理亜。陽と陰。新人にかけた声もそのままでほんとうにうまい。

■ ちゅらさん(2001年8月30日第130回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリー、辞めた後輩の家に行って本当はやめたくないという言葉を引き出し、しれっと元に戻る案を提案し、成功する。時は流れて和也ももうすぐ4歳。


・看護学校の勉強大変だったのにもったいないとかそのまま言い返されてて草。ほんとうまい。。
・「道案内してるうちにちゃんと道のことがわかる」は名言。


■ちゅらさん(2001年9月1日第132回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリーと和也、沖縄を堪能して帰る。

・初代和也たちみんなで無人島に行った時、和也の写真を撮っていたことについて、静子、もうすぐ亡くなるから記録を撮るなんて何やってたのかと、一緒に水を掛け合って遊びたかったと。そして勝子とおばあと二代目和也と4人で水をかけあう。すごいー。

■ちゅらさん(2001年9月4日第134回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリーの妊娠の誤報、勘違いした静子から沖縄に伝わる。島田、エリーに背中を押されて一風館に入る。

・男は女が背中をドンと押さないと何もできない繋がりで、島田の件とけいたつの件繋がっててうまい。

■ちゅらさん(2001年9月13日第142回)観終わり(NHKオンデマンド)。かずや、心療内科で選択的緘黙と診断され、時間が必要と言われる。エリー、胸の痛みが強くなる。

・岡田さんの脚本ではわかりやすい悪役や憎まれ役がいない分、登場人物にマイナスな作用をするのは全く主要人物ではない外部の人なんだなぁ。ひよっこでお父さんのお金をすった人もそうだし、今回かずやを叱ったサラリーマンもそう。

■ちゅらさん(2001年9月15日第144回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリーは自然で嘘がないとようこや柴田たちに話すふみやの言葉を階段でこっそり聞き、自分が胃のこと嘘をついてるのをごめんとすすり泣くエリー。

・運命の専門家www

■ちゅらさん(2001年9月18日第146回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリー、仕事を辞めて和也と小浜島に向かう。遥からは3週間と言われる。


・エリーの病状がわからん。これで取り返しのつかないことになったら和也にさらに心的トラウマを。。だからエリーの判断の評価ができない。遥が3週間とか悠長なこと言ってるからそれほどではないのかなぁ。。

■ちゅらさん(2001年9月20日第148回)観終わり(NHKオンデマンド)。一風館も古波蔵家もみんな寝られないでいる。小浜島の浜辺でエリーと和也が遊んでいると静子がやってくる。

・静子にとって小浜島に来るってのは物凄い踏ん切りのいることだったろうな。悲しい思い出の島というのを上書きしようとしたのかもしれない。


■ちゅらさん(2001年9月24日第151回)観終わり(NHKオンデマンド)。和也、道で話しかけられて恐くて話せなかったおじさんに「お母さんを助けて下さい」と言えた。

・子供の目の前で倒れるのも十分トラウマだとおもうけどなー。

■ちゅらさん(2001年9月26日第153回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリーの希望で手術前にみんなでパーティーをする。病院に行く日の朝、真理亜が初めてエリーの名前を呼んで励ます。

・今晩の部屋割りは完璧だった。ちょっとしょうこちゃんがかわいそうではあるけど。。
・真理亜が初めて名前呼ぶのいいなー。。
・しかしこんな外出して元気に過ごせる感じなんだ。病状がほんとよくわからん。後さすがにこれ手術日ではないよな。食べたらあかんはず。てか、検査の時も気になってた。
・あと執刀医決まってないのに手術日決まってたのおかしい。

■ちゅらさん(2001年9月29日第156回)観終わり(NHKオンデマンド)。エリーとふみや、小浜島で診療所を始める。小浜島に主要メンバー大集合して誰が一番今のエリーをつくったかという張り合いを始める。夜遅くまで楽しく宴会を続ける面々。

・内科はこんなに同時に休んで大丈夫なのか?
・最後に水着サービスがあるとは!!
日向充

日向充