キャッチ30

ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン 1のキャッチ30のレビュー・感想・評価

4.3
 政治家は饒舌でなければならない。饒舌だけではなく、知略に長けていなければならない。本作を観ているとこんな定義が思い浮かぶ。

 主人公はフランク・アンダーウッドという男だ。フランクは民主党の下院議員であり、次期大統領政権で国務長官に内定している筈だった。しかし、約束を反故にされ、妻のクレアや部下のスタンパーらと共に新政権に復讐を誓う。

 フランクは権謀術数を用いて、野望の階段を駆け上がっていく。新人女性記者や若手下院議員を手駒にし、自身への障害を排除していく。まさに、アメリカ政界を舞台にしたポリティカル・ゲームだ。

 見所はフランクに扮したケヴィン・スペイシーだ。スペイシーは巧みな話術で観客を巻き込み、狡猾で被虐的で粘着質な政治家を体現する。スキャンダル報道のせいもあるが、スペイシーはこういう役がよく似合う。思わず次シーズンを一気見してしまった。