キャッチ30さんの映画レビュー・感想・評価

キャッチ30

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良い映画の基準は一つの作品に対して、もう一度観たいかどうかです。
#マイベスト

映画(544)
ドラマ(25)

軽蔑(1963年製作の映画)

4.2

映画は欲望がつくる世界の可視化である。ゴダールの映画批評の師匠であり、ヌーヴェルヴァーグの父親的存在であるアンドレ・バザンの言葉である。では、今作のゴダールの欲望とは…。

話はシンプルで
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かぞくのくに(2012年製作の映画)

3.9

在日朝鮮人たちは帰国事業という家族を置いて、地上の楽園と謳われていた北朝鮮への集団移住を行なっていた。しかし、独裁体制により、内部からの情報は一切遮断され、家族は離れ離れになってしまった。この状>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.1

第二次世界大戦下の日本。死と隣り合わせの世界で、人々はありふれた生活を送っていた。

すずもその中の一人だ。すずは絵が得意だが、どこか抜けている。彼女は広島市に住んでいたが、18歳で嫁ぐ
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人生タクシー(2015年製作の映画)

4.2

反体制活動を理由にイラン政府から二十年間の映画監督としての活動を禁止されたジャファール・パナヒ監督。しかし、彼はそれでもめげずに水面下で映画を撮り続ける。

今作でのパナヒ監督はタクシー運
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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015年製作の映画)

3.9

撃つべきか、撃たぬべきか。ボタン一つで標的を殺せるが、被害は大きい。標的か目の前の少女が優先か。正解は見えない。

ケニアでイスラム系過激派組織の会合がある。そのメンバーを捕獲することが目
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.2

劇作家のルイは余命幾ばくもなく、家族にその事を伝えようと十二年振りに実家に戻る。化粧が濃い母のマルティーヌ、素っ気ない兄のアントワーヌ、実家から出たい妹のシュザンヌ、兄嫁のカトリーヌが彼を出迎え>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.6

スタイリッシュであり、好き嫌いが分かれる作品だ。よって、心臓の弱い方にはオススメしない。

主人公は過去も名前も不明な男だ。昼はスタントマンと自動車修理工場で働き、夜は逃し屋をやっている。
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天国の門(1981年製作の映画)

3.5

詩情あふれるが、肉付けが足りない。『天国の門』を観た私の感想である。

物語は東欧系移民の大量虐殺に翻弄される人間たちを描いている。
また、公開時には興行的にも、批評的にも不評となり、
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

4.0

元々、港町三部作と名付けられたが、タイムリーな話題であることから難民三部作に変わった。本作はその一本目であり、私にとって初めてのカウリスマキ作品である。

舞台に選ばれたのは、フランスの港
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カサブランカ(1942年製作の映画)

4.0

「君の瞳に乾杯」。名セリフの割に何回言わせるんだよと突っ込みたくなるが、この映画の良さは否定できない。成功要因は第二次世界大戦を背景にした悲恋物語だからである。

ドイツが支配するヨーロッ
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真昼の決闘(1952年製作の映画)

3.9

西部劇に社会派のスパイスをミックスした映画と例えたら良いか。『真昼の決闘』を観てそう思った。

粗筋は保安官ケインが逮捕した男ミラーが出所し、報復の為に町へ戻ってくる。それをケインは迎え討
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.4

幾何学的なイメージと不寛容という題材が目を惹くが、いささか物足りない。むしろ、冗長すぎるきらいがある。

美術館のキューレーターであるクリスティアンは「ザ・スクエア」という新たな展示企画の
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夕陽のギャングたち(1971年製作の映画)

3.8

セルジオ・レオーネが描いた「ワンス・アポン・ア・タイム」三部作の第二章。

舞台は1913年のメキシコ。革命の動乱が渦巻いていた時代。山賊の頭ファンは爆破のプロであるショーンと出逢う。ショ
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ラブレス(2017年製作の映画)

4.0

景色は壮観なのに、あまりにも不条理な結末に辟易した。前作の『裁かれるは善人のみ』を観た私の感想だ。今回の『ラブレス』でも同じだ。監督のアンドレイ・ズビャギンツェフは冷徹な視線を終始崩さない。>>続きを読む

女は二度決断する(2017年製作の映画)

3.9

重苦しいうえに、空虚なトーンが漂っている。そう思えるのは主人公の心情からか閉鎖的な社会に対してか。

主人公はカティヤという女性だ。カティヤは夫と息子を爆発で失い、自暴自棄になる。犯人が逮
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旅情(1955年製作の映画)

3.9

アメリカ人女性ジェーンは休暇でロンドン、パリを経由してベネチアを訪れる。ジェーンは高揚と同時に不安を感じる。彼女は悠々自適に観光名所を廻るのだが、そこにカップルの姿を見かけると寂しさに打ちひし>>続きを読む

勝手にしやがれ(1959年製作の映画)

3.9

センスが良いと言う人がいるだろう。反面、カッコつけすぎだと揶揄する人がいるかもしれない。それでも、この映画が与えた影響は大きい。

御存知、ヌーヴェルバーグ(=新しい波)の旗手ジャン=リュ
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.2

時代は1938年のイタリア。第二次世界大戦の前年。マルチェロは子供の頃のトラウマから「正常」であることに固執する。幸せな結婚、ファシズムへの傾倒。また、卑怯者の面も持ち合わせている。

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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.5

美しい愛の物語であり、マチズモの終焉を見た気がした。おそらく、それはトランプ政権下のアメリカと無縁ではない。

舞台はケネディ政権下で、冷戦時代のアメリカ。折しも、キューバ危機の年の196
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BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

4.5

エイズ感染による差別、不当な扱いに対する抗議活動を背景にした普遍的なラブストーリーだと解釈している。

物語の中心はショーンとナタンのゲイカップルだ。ショーンは活動団体「ACT UP」の創設
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用心棒(1961年製作の映画)

4.1

『七人の侍』の項で「チャンバラ映画として観ると肩透かしを食らう」と書いた。今作でも同じことが言える。基軸になるのは三船敏郎演じる用心棒のキャラクター像であろう。

物語は宿場町を取り仕切っ
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.3

最近のホロコースト映画で言うと映画ファンの人なら『サウルの息子』を思い浮かべる人が多いだろう。『シンドラーのリスト』はスピルバーグが取り扱ったホロコースト映画であり、世界的な巨匠として認められた>>続きを読む

世界にひとつのプレイブック(2012年製作の映画)

3.9

躁うつ病に関する映画を観ようと思ってセレクトした。観終わったら暗い印象はなく、刺々しいが自分に活力を与えてくれる映画になった。

パットは妻の浮気現場に遭遇し、躁うつ病を患い、8ヶ月後に退
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.0

人は何かに縋りたい生き物だ。特に幻想はその筆頭と言って良い。『アメリカン・ビューティー』を観ると、そんな姿が頭をよぎる。

これはシカゴ郊外に住む中流階級バーナム一家の崩壊を描いている。夫
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