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ブラック・ミラー シーズン1のYuのレビュー・感想・評価

ブラック・ミラー シーズン1(2011年製作のドラマ)
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1話 人生の軌跡のすべて
記憶を再生できるチップが体に埋め込まれているのが当たり前の世界。
自分で確認もできるし、誰かと一緒に見ることもできる。
言った言わないで、人間関係がほつれることはあるけど、その答え合わせができちゃう世の中ってスゲー生きづらそうだなぁって思っちゃった。
スゲー便利なテクノロジーが"全員"を幸せにするかどうかは、びみょーなんだなぁってなるけどスマホはやっぱり手放せないよね。
「モヤモヤするのは気持ちが悪いけど、スッキリさせないほうが良いものもある。」なんていわれたらまたモヤモヤしちゃうけど、今感じてるこのモヤモヤってちょっと楽しいかも。

2話 国家
イギリスの公爵夫人が誘拐される。
犯人の要求は「豚と首相のセックスの生放送」
見る人の感想はたぶん「面白かった」がほとんどだと思うくらいチョー面白い。
でも「面白い」のその奥が全然見つかなくてスゲー不思議な気持ち。
豚とセックスを強いられる首相と、それをどうにか避けようとする滑稽さとか、話の突拍子の無さからくる「シンプルな面白さ」もあった。
作中の視聴者(イギリス国民)と作品の視聴者(自分)が同じ立ち位置に立たされるから、スゲー作品に入り込まされて「リアルな面白さ」も感じた。
自分の思ったことが作品の世論として出てきて、自分の考えが転がると作中の世論も転がってで、知らないあいだに誘導されてたつて感覚も見終わってから感じて「何だこれはぁ」ってなってます。
最終的に「面白かったッ!」って噛み締めちゃうような「面白さ」へのアプローチの仕方がサイコーな作品でした。

3話 1500万のメリット
管理社会の下で自転車発電を続ける毎日。
自転車発電をしている人たちの娯楽は、オーディション番組、動画、アバターの見た目を変えるとか、「本物」を相手にすることがほとんどない。
唯一「本物」と接する機会といえば黄色いユニフォームを着た清掃員(レモン)をバカにするくらい。
主人公が信じた「本物」も主人公の行動がきっかけで「偽物」になっちゃってそのディストピアに立ち向かうっていうよくある話でした。
自分たちの世界も「バーチャルなもの」に夢中になったり、「思考停止した大多数に消費させるコンテンツ」が溢れてたりだとか、そう感じちゃってる今作の主人公と同じ考えの人は多いと思う。自分もそうだしね。
でもまって!ネットフリックス!ツイッター!はてなブログ!ない生活なんて信じらんない!
人によって「偽物」と「本物」の区別は全然違うだろうし、本質を「客観的」に見えてるって人は、「自分の生きる社会から見た主観」であって本質なんてそもそもないんじゃあないのかしらんって思っちゃうよね。
結局この話は「もの」の見方はその時の自分次第で変わってくから、どれが正解ってわけでもない。って捉えていいのかしらん。
特に起伏なく話が進むから、自分の生きる社会と作中の社会の比較がゆっくりできて頭痛くなりまひた。
Yu

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