柏エシディシ

ブラック・ミラー シーズン1の柏エシディシのレビュー・感想・評価

ブラック・ミラー シーズン1(2011年製作のドラマ)
3.0
欧州サッカーシーズンも終わったので、本格的にネトフリを掘り始めました。
評判を聞き及んでいたコチラもよーやっとチェック。面白いやんけー

1話完結オムニバスシリーズで新世代のアウターリミッツ、トワイラトゾーンという趣き。
SF寄りで、テイストはブラック。

ep1は、当初の評判と違う割と現代的なシチュエーションで戸惑いながらも、「豚とファック」(文字通り)という先制パンチが極悪過ぎ。
英国産っぽい政治風刺は本シリーズのもう1つの柱の様ですね。

ep2はディストピアものとしてはストーリープロットは定型ながら、オーディションショーやネット広告などの世界観が現代社会批判として鋭く唸ってしまう。
優れたディストピアSFは未来へ描きながら現代の闇を照射するもの。本作の主人公の結末に苦みを感じながらも自分自身を振り替えざる得ない。
「ゲットアウト」「ブラックパンサー」でもお馴染みになったダニエル・クルーヤが好演してます。

主人公の状況や行動に思考が刺激されるという点ではep3も秀逸。
すべての記憶をメモリー出来るチップを体内に移植するのが当たり前の近未来、記憶に固執するあまり悲劇を招く男の顛末を描いているのだけれども。
SNSなどでデジタルに思い出を保管したりシェアするのが当たり前、時には過剰なまでに固執したりしがちな現実の自分たちも、逆に何かを失ったり、見誤ったりしているのかもしれないな、と痛感する。
記憶チップをトラブルで失った女性が「それで良かった。今のほうがイイ」と言うのが印象的。

ファーストシーズンにして、3エピソードとも方向性は違えど、共通するテイストを備えているのが面白い。
もう少し、バリエーションがあってもよいとは思うけれど、まだ3本。今後のシリーズに期待するとしよう。
柏エシディシ

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