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ブラック・ミラー シーズン1のkyooo1のネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・ミラー シーズン1(2011年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりのもっと早く出会いたかった系作品。テクノロジーが発展した近未来を舞台にブラックジョークを込めて現代社会の風刺を訴える。オムニバス形式でテーマも異なるが、各話のラストで現代を生きる自分自身を映し出していることに気づかされるまさに”ブラックミラー”。星新一や世にも奇妙な物語が好きな人にはオススメ。

#1 国家
どんな選択をしようが犯人が必ず勝つ究極の要求を強いられる一国の首相。SNSが生活の中心である現代のせいで、国家vs犯人のはずなのに国家vs国民の構図になってしまう。最終的に犯人は、たった数時間でメディアにのめり込み感情が揺れ動く国民とそれに振り回される首相&国家の構図を一つのアートとして完成させてしまう。首相が悪くないのは頭ではわかっているはずなのに生理的に受け付けなくなってしまった婦人のラストもリアル。

#2 1500万のメリット
ゲット・アウトの時同様、主人公役ダニエルカルーヤは周囲に疑問を持ちつつも何を考えているのかわからないミステリアスな役が上手。観客がハラハラさせられるのはこの人の演技のおかげと言っても過言ではない。序盤は主人公サイドで物語を観ているが、醜い大衆が私たち自身を表しているのではないかと途中で気付かされる。現実世界では仕事にやりがいを感じることなく無駄に時間を費やし賃金をもらい、プライベートではゲームやアバターの服などの仮想世界に身を捧げる私たちに疑問を訴えかける作品。

#3 人生の軌跡のすべて
視覚情報を保存しいつでも再生可能、かつ他人と共有可能なデバイスをほぼ全員が体内に身に着けているという近い将来ありえそうな世界観で物語が始まる。便利すぎるがゆえのトラブルも絶えず、人間関係がこじれていく。チップを自ら外した女性の感覚は、便利を追い求めて発展しすぎた社会から離れたく田舎で暮らす人達の感覚に似ているのかも。ラストのどんでん返しもリアルで非常に良かった。
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