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ブラック・ミラー シーズン6の鉄のレビュー・感想・評価

ブラック・ミラー シーズン6(2023年製作のドラマ)
4.2
世にも奇妙な近未来SF一話完結ドラマのシーズン6。

1話目の「ジョーンはひどい人」の完成度にびっくり。そもそも利用規約はちゃんと読もうという話(Netflix契約してるときにもしかしたらこういう規約があったかも。手遅れだがな!)ではあるものの、他の人のプライバシーも勝手に許可できてしまうシステムはどうなんだとは思っちゃった。ただ、ハリウッドのスト問題や、Netflixの自己批評みたいな点(穏やかな内容より過激なものを求めてるユーザーが多いというのにはビクッとした)もありつつ、着地がどこか暖かくて優しい気持ちになる。

2話目の「ヘンリー湖」はサイコホラーとして普通に怖すぎる。地元で昔起きた事件を掘り起こしている内に知らなければ良かった事がどんどん出てくる様には背筋がキンキンに凍る。これも「実際に起きた事件をドキュメンタリーなり何なりといったコンテンツに消費していいのか問題」を扱っていて興味深い。3話目の「ビヨンド・ザ・シー」はザ・ブラック・ミラーとでもいうべき、最新テクノロジーを用いた人間の暗黒面を描いたお話。レプリカを貸す〜以降は「こうなっちゃいそうだな〜」と予想する展開を少しずつ外していきつつ、しっかり胸糞エンディングなのが流石。

4話目の「メイジー・デイ」はパパラッチ批判かと思いきや…なラスト15分の展開のツイストに嬉しくてびっくり。どんなに馬鹿でちゃちいと思われてもいいので、こういう展開をやってくれるのは嬉しいし何より面白い。ラストショットはダイナーの引きで終わるけど、その手前で終わったほうが切れ味抜群だと思うんだけど、君はどう思う?(突然の問)5話目の「デーモン79」はデスノート感ある内容で、どんどん主人公が殺人に傾倒して行く様は不気味面白いんだけど、このハッピーエンドみたいな面したラストだとどうも陰謀論者の勝利みたいな話にも見えてしまって。なんか居心地の悪さを感じましたよ。
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