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Marvel ルーク・ケイジ シーズン1のdjangoのレビュー・感想・評価

5.0
クセは強いがハマれば猛烈な虜になることは間違いない大傑作。
ハーレムのご当地ヒーロールーク・ケイジ。
登場人物のほとんどが黒人。
ブラックスプロイテーションの流れを組むドラマで、独特の感性で描かれたドラマ。
最新型ブラックスプロイテーションと言っていいと思う。
僕自身は観たことないジャンルではあるが、『燃えよドラゴン』や『ジャンゴ繋がれざる者』でその血脈を感じていた。
だから、惹かれるのは当然なことだった。
このドラマも『ジャンゴ繋がれざる者』に敬意を示していている。
曲も文化も背景もブラック。
防弾男だけど、弱点はやっぱり銃。
冤罪で捕まり、無実の罪で警察に追われ、ラップで歌われるヒーロー。
そんなヒーローは、黒人の歴史そのもの。

一方悪役も一筋縄ではいかない。
悲しい過去を持ち、音楽大好きなコットンマウス。
卑劣な政治家マライア。
聖書大好きダイヤモンドバック。
そして、黒人じゃないシェイズ。
コットンマウスは特に、悪役なのに憎めない。環境さえ良ければ真っ当で才能溢れる音楽家になれた人物。
選択できなかった悲しみが彼を準主役並みの存在感にした。
また、登場人物に学のある人物が少ないのも印象的だった。
イカロスを知ってるか?
の回答が
ケンドリックとコラボした奴か?
だったのは大爆笑。
イージーやケンドリックを知らない登場人物はいないが、イカロスを知ってる奴は少ない。
そんな世界は面白い。

ルーク・ケイジは、今のところディフェンダーズ系マーベルドラマの主人公の誰よりも強いので豪快で安心な活躍を楽しめる。
そして、このドラマも大きなストーリーの小さなパズルピースに過ぎないのだ。
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