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ベター・コール・ソウル シーズン5のTenKasSのレビュー・感想・評価

4.5
全シーズン中でも飛び抜けて面白い。面白すぎて一気に見てしまった…勿体ない。
これだけ面白いのに未だ!続きが!ある!

アリに食われるアイス、50%OFF×We Are CHAI、フライヤー磨きと追跡劇のクロスカッティングや無言の瓶投げ、左右対称な構図、二面性を示すライティング(これは前からだけど)、広過ぎる荒野。恐ろしく長い間と沈黙によって醸成されるサスペンス(この辺はスローシネマともある地点で関わりある?)など印象に残る場面が多過ぎる。壁に映って左右に割れたソウルの顔面のカットがヤバい。

行く末を知っているというのに何故こんなにも面白いのか。行く末を知らないキャラクターがみんなして魅力的だからか。とはいえ起承転結の転の部分を見事にどの人物も通過してしまった…。

良心の呵責を越えて何とか未来について語り始めるキムとジミー…or…or…or…とハワードをダシにして選択肢を集める。シーズン5は「選択」について一つ一つが今までより遥かに重みを持ち始めた。
マイクが珍しく心の内を晒したかのような台詞、「俺はなぜ今ここにいるのか知っている」「人は選択することで道が出来る。どの道を選んでもあの荒野に繋がった」というのが過去編を作り手が語る(観客はそれを見る)意義そのものへと繋がる気がした。
結果は分かっているかもしれないが、何もしないワケにもいかず、自分にも他人にも嘘をついたり本音を言ったり選択を続けなくてはいけない。誰もが結局は死ぬが、少なくともそれ迄は生きなくてはいけない…。

しかしファイナルシーズン見たくない。
キムに何が起こるんですか!ラロは何してくるんですか…。ナチョ絶対足洗えないじゃん…。ハワードは、まぁ別に死んだりしなければどうでもいい。ソウルがジェシーみたいに周囲の人間を人質にされたりしたら…あぁ見たくないなぁ…いやだなぁ…(見るけど)
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