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ベター・コール・ソウル シーズン4のshuripaのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

・改めて、脚本が巧みすぎる。表/裏の世界、過去/現在/未来、公私、大小のトピックを縦横無尽に行き来する。多くのキャラの話を同時に進めつつ、各話ごとにタイトルどおりの共通軸を貫く。それでいて見え見えのパズル的な構成ではなくて、程よい余白もある。(と思ったら、その余白と思っていたネタがしばらく後でやっぱり拾われたりも。)そして、ゆっくりとBrBaの世界に近づいていく。

・何話かの冒頭はBrBa終盤で逃亡直前のジミー(もといソウル)とフランチェスカ。最初はジミー(やキム)に献身的で理解のある彼女だけど、そうだそうだ、後でこんな冷やかな態度になるんだった。リマインドしてくれる演出。これからジミーがいかに悪徳化し、彼女に軽蔑されるか。

・別の話の冒頭はスプリットスクリーンにそれぞれ映るジミーとキム。寝食はともにしながらもビジネスでは別の世界に生きる。携帯を捌くジミーは一見するとドラッグディーラー。キムは何度か詐欺遊びをしたけど、本業は真っ当にやってきた。と思ったら、後の回で弁護士業にも詐欺行為を持ち出し、成功すると快楽を覚えるキム。

・地下工場の建設について、ここまで新キャラと長尺を使って描くとは。でも、やはり単に建設過程の説明に終わるはずもなかった。

・ヘクターを生かしも殺しもしないガスの悪意にゾッとした。演技もさすが。特にあの表情。彼は『マンダロリアン』でもメインヴィラン役だけど、ガス役の方がはるかに本領を発揮している。

・10話は最高だった。手強い新キャラ・ラロとマイクの攻防が面白い。また、社会・コミュニティを一度でも裏切ると信用の回復がいかに難しいかについて、表と裏の世界の両面でいくつもエピソードを重ねて描かれる。ジミーとマイクはなんとか信用を回復して一応「勝者」に。ただし、マイクは一線を超えざるを得なかった。ヴェルナーとのシーンは良かった。彼は最期だけやけに潔いな。処刑時は引き画で夜空の下のシルエット。また、資格を取り戻したジミーはいよいよソウル・グッドマンに。
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