まず音楽とロケーションがとても良い。
聖や晶の気持ちが揺れる場面では、もれなく綺麗な音楽と綺麗な情景。ほんとうにリリカルな作品だった。
最初は中学生男子が新任女教師に片想いするという甘酸っぱさを楽しんで見ていて、余裕があったけれど、2話くらいからだんだんと聖の気持ちが揺れていくのを見て、正直、見る前にあらすじを知って感じたように少し引く気持ちにはなった。
大人びていても相手は中学生。普通の大人ならまず恋愛対象にはしない。
近親相姦を見せられた時のような、ざわざわする感じ。
これがずっと続いたらこのドラマは追えないなー、と思ったけれど、話は上手く数年後に飛ぶ。
3年後の黒岩くんは高校3年生。18歳。
ここで、あれほど感じていた自分の中のタブー感がかなり薄らいだ。
元教え子だし、母親も周りも猛反対しているし、応援できないはずなのに、2人が再会するたびにあちゃーと思いながらも、少しずつ応援するようになっていった。
中盤はわりと同じような展開をループしていた感じもあるけれど、最終回がとても良かった。
いったんお互いのために別れることを決めた2人。
自分の気持ちを押し出すばかりだった黒岩くんは聖のことを考えられるようになり、聖も黒岩くんの将来のことを考えて、プラス自分が本当になりたい自分のことも考えて、出した結論。
このまま終わっても良かったくらい。
でもさらに5年後。これは原作にはないオリジナルの展開？？
ドラマならではで、現実的では無いけれど、視聴者の期待に応えるすごく綺麗なまとめだなぁと感心した。
黒岩くんのセリフじゃないけれど、人を好きになるって素晴らしいことなんだな、と何度も思わせてくれた作品だった。
