よーすけカサブランカス

シャープ・オブジェクト KIZU-傷-:連続少女猟奇殺人事件のよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

4.2
田舎を舞台にした少女連続殺人というフーダニットのミステリーであると同時に主人公の過去、家族と町の闇が明らかにされていく。母性の暴走がテーマという感じ。
町での陰湿な会話や(都会人を街の名で呼ぶ田舎特有の感じ、パーティーに誘うけど陰口を叩くママ友)母親の気持ち悪さの描写がとにかく粘っこくて不快に感じるほどだった。
最後のどんでん返しには驚き興奮したものの、そうなるとずっと描いてきたテーマがブレるような気もするので少しモヤモヤした(カミールが心の闇に自傷で均衡を保とうとしていたのに対して他傷でやろうとした、と考えれば納得できなくもないかな)
ジャン=マルク・ヴァレよ安らかに。