このレビューはネタバレを含みます
人生でこんなにモヤモヤしたドラマはまたとない。
結末を変えて欲しいと切に願うドラマだった。
内野聖陽という俳優がどうも苦手で34年生きてきて一度も出演しているドラマを観たことがなかったが、たまたま観たこちらのドラマで、完全にやられました。
何てかっこいいかたなのでしょう。
その贔屓目も相まって、なぜみずほと光が結ばれなかったのか、確かにタイトルはミセスシンデレラなので、魔法が解ければもとの平凡な主婦に戻ってしまったという意味合いが含まれているのでしょうが、浅野妙子と尾崎将也なら、Age35のように新たな幸せに身を投じさせてあげても良かったのではないかと悔やみます。
第6話まで、光の魅力がほとばしり、そこからのジェットコースター的展開が甚だしい。
光は「この世の果て」のシロみたいになるし、どんどん康之へ視聴者の気持ちを載せていこうとする意図が感じられて、そのことは実際成功していたと思うが、光演じる内野聖陽の存在感が搔き消えることがまるでなく、あの盲目的な人の元へみずほが飛び込まなかった事実が切ない。
実際、6年後のラストシーンではもうすでに心の灯火を消し去り、姑、夫、子どもで胸をいっぱいにし、愛と幸福に満ちた笑顔をみずほは振り撒くが、光は妻と子どもがありながらも、心はみずほに残したままなのだ。切ない。
ただその光のひたむきな愛は、みずほの子どもが、おそらく光との子どもと予想される、そこに昇華されたのだなと思う。
もどかしく、呆れ、苛立ちもあり、完成度としては高くないが、また観たいとどうしようもなく思わせる、なんとも不思議なドラマです。