Relishi

小市民ケーンのRelishiのネタバレレビュー・内容・結末

小市民ケーン(1999年製作のドラマ)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

情けなく臆病で流されやすい、冴えない高校教師鍋島権(木梨憲武)。
ずっと憧れている歯医者の紺野真理子(羽田美智子)と結婚にまで至るが、真理子には加賀徹(沢村一樹)という不倫相手がある。
偶然に運命的出会いを果たし、密かに鍋島権を想い続ける、鍋島の生徒でもある真理子の妹、珠子(榎本加奈子)。
珠子との出会いにより、少しずつ人間的に変化が生まれる鍋島権、2人の関係やいかに。

石原隆企画、橋部敦子脚本、星護演出、この三拍子ならばおもしろくないわけがない。
実際個人的には大変好きな作品だった。
何より珠子が切ない。。鍋島の幸せを心に願い、自分の想いを箱の中に閉じ込めている。

途中までこの作品を最後どのように整理するのだろうとソワソワしていたが、理想的な結末を迎え、気持ちよく終わってくれたことにほっとする。

やはり人はその本来持つ良い資質を変えずに、環境によって自己を成長させるというのが、もっとも良い変化であるというのが、このドラマのポイントとしてある。

加賀との不倫を受け入れ、それでも直向きに想い続ける鍋島をいつしか好きになる真理子、真理子の調教によりどんどん合理的な人間に変化していく鍋島、真理子との別れにより初めて自分がただ肩書きやヴィジュアルに酔いしれていただけの人間だと気づく加賀。

ただ一貫しているのが珠子、誰も振り向かないような情けない鍋島をずっと想い、全てを受け入れ、ただただ鍋島の幸せを願う。

なので、その珠子が報われる結末になったのは大変嬉しく終えられた。
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