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善徳女王のIのネタバレレビュー・内容・結末

善徳女王(2009年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

モチベーションが下がった時や、目標を見失いそうな時に見てる。
(今がそう笑)

小学4年生くらいの時に見て、後にも先にもこんなけハマったドラマは無いと思う。

壮大すぎて何から書けばいいのやら。


まず主人公の徳曼。
最後の涙が本当につらい。

新羅に全てを捧げ、自分には何も残らなかった。
育ての母も両親も姉も素晴らしい逸材達も初恋の相手も自分を慕ってくれる人も全てを無くして死んだ。

自分で選び、進んだ孤独な王の道が、
これほどに孤独だったとは誰が予想できただろうか。

三国統一の基盤を築く代償の重さ。



そして美室。
ずっとこの人に憧れて一匹狼で生きてたなぁ。笑

誰よりも新羅を想って生きた本物の王。
これは誰にも違うとは言わせない。

王は王座をただ守るだけ。
徳曼は復讐したかっただけ。
美室はどうか。自ら領土を拡げ、自ら国を動かしてきた。自分の子の様に新羅が可愛くて、欲しくて当たり前だ。

彼女だったら徳曼のように後悔しながら死ななかったはずだ。稀代の英雄になれたはずなんだよ。

しかしなんて運命なんだろう。

美室は王族に生まれなかった。
王族に生まれたのは徳曼だった。

貴族は自分の利益のために生き、
王族は国の利益のために生きる。
これが世の道理だ。どうしても逆らえるものじゃなかった。
貴族の後ろ盾を持ち貴族に金を回さないといけない美室は、国にとっては害になる。。

本当に貴族を敵に回すしか方法が無かったのか?貴族と国が協力できる世界線は無かったのか?

徳曼と一緒に国を作ることは出来なかったのか?

本当に死んでほしくなかった。
しかし死に様は美しすぎた。孤高の人。



それからユシン。
この人は頭は堅いが、実はよく真実が見えていて行動できる。

「歴史の前では私たちは1つの駒に過ぎない」

本質すぎて何も返せん。名言。

作中後半には一切出て来ないが、「徳曼と共に生きるただ一つの方法」として、こう割り切り、
ひたすらに上将軍として生きていた。

さすがは頭の堅い真っ直ぐなユシンだ。

誰にでも出来ることじゃない。



最後に、ピダム。

愛が何かわからずに迷走した人。
美室の最大の過ちだよ。美室も自覚してるからまだいいけど。

報われなかったの辛すぎた。


他にも魅力的な登場人物が何人もいます。




まとめると、ぱっと見の華やかさとは裏腹に、かなり悲しい物語。

気づけば誰も幸せにならずに、国だけ発展して終わっている。

目標達成するには他の全てを捨てる覚悟がいる。

目標にもよるんだろうけどね。


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追記 2023 1/21

この生き方はそういえば辞めました。

理由は、46億年の地球史、生物史の中の80年しか生きない自分は
弱肉強食も格差も変えられないと気づいたから
そんなことしようとしたら、安楽死計画になります。つまり生物である限り不可能に近い。

だから、社会をひっくり返してやるんじゃなくて
自分のできる範囲で困っている人に少しでも貢献できたらと思ってる

目標のために生きるんじゃなくて、バランスをとって生きるようにしてる

でも、このドラマから教わったことはすべて私の血肉になってる。全ての人の生き方が好きだ。ありがとう。

人を評価するのは歴史だと思う。1000年後の私からしたら、みなさんは本当にかっこいい。
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