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鬼平犯科帳 第1シリーズの大盛りのレビュー・感想・評価

鬼平犯科帳 第1シリーズ(1989年製作のドラマ)
5.0
白鵬版は、残酷な現実感が強い。その分ハッピーエンドの幸福と安堵が強い。

丹波哲郎版は、音楽もジャズアレンジでオープニングなどスタイリッシュ。登場人物の愛嬌が強調されている。
錦ちゃんのことは映画俳優だと思っているけれど、まだ当分は丹波哲郎が梨園ではない唯一の鬼平のよう。勉強不足?(笑)
平蔵、左馬がハンサムさんコンビ過ぎる(笑)後半に左馬の出番少ないのが悲しい。
密偵達は、絶妙に元盗賊というか悪党な稼業してた感じを出していていい。特に粂さんと五郎蔵親分が!(笑)
ときどき忠吾と居るときの平蔵が、忠吾の父かよ?!って思えることがある(笑)
軍兵衛さん二回登場
あと、酒井が密偵達と食事するシーンがあって好き。平蔵ももちろん一緒だけど、珍しいシーンかなって思った。
そう言えば、一番いかつい酒井(笑)

萬屋錦之介版は、音楽一新。
あれ…ちょっと『日本犯科帳・隠密奉行』っぽい?
と思ったら木下忠司だ!
一番鬼平の鬼感が残っていると思う。
あと、さすがのぼろぼろな浪人姿!粂さんとおまさがいい!など個人的に響くみどころいっぱいで、錦之介版が一番好き。
茶室もよく出てくる。
彦さんとかに酒を進めるときは「飲みな」。ちょっとつっけんどんに聞こえる口調。武家ってそんな感じだろうし、錦ちゃんの言い回しでもあるかなって感じる。階級や、上下をうっすらと匂わせるすごさがある。
かと思うと、おまさと五郎蔵が一緒になるときは、佐嶋が高砂を歌って、平蔵も同心も裃でちゃんと祝うっていうあたたかさ!

中村吉右衛門版は、もはや仏(笑)。世相のせいかな?
あと言い回しに歌舞伎なのかと感じる声の抜き方というかイントネーションというかがあって、普通の会話にこんな風に活用できるんだな。と思うことがある。
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はさみ撃ち●大盗賊だったじいちゃん二人がいい。「帰りましょうか」と二人仲良く帰っていくのが好き。白鵬版ではじいちゃん二人とも総白髪だけど、錦之介版では番頭さんが白髪交じりだった。約10年で年齢に対する意識が変わったっていうことなのかな?

熊五郎の顔●お延があんなに思い詰めてかわいそうすぎ!でも結果的オーライか?(笑)

雨乞い庄右衛門●吉右衛門版は田村高廣だ!と見たけれど最後、火盗改めが来てしまうんだ…原作はどうなのか気になってきた。

泣き味噌屋●丹波哲郎版の「介錯してやる」のシーンと最後好き!

密偵達の宴●丹波版はおまさ、五郎蔵夫婦のじゃれあいがかわいくて好き!主だった密偵がこれだけ集まると、かなりはっきり個性を分けてるなと感じる。

流星●錦ちゃん版は平蔵が「とっつぁん、また会おうな」と終わる。あの言い方がいい!言ってすぐ引っ込んでしまう。障子閉めちゃうの。なんか忠太郎がおっかさんと別れる時を思い出したり…いろんな別れを知ってる「また会おうな」だと思った。
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